母親は昨年10月に出会い系アプリで容疑者と出会った
行政機関にも事件が発生するかなり前から、虐待を懸念する通報が届いていたという。市役所の関係者が話す。
「2018年10月に母親が大阪府泉南市から現在の摂津市のアパートに引っ越してきた時から0歳児の子供を抱え、他に頼る人もいない状態だったので、摂津市と大阪府吹田子ども家庭センターで話し合い、市の判断で見守りをしていました。月に1~2回のペースで母親と市職員が面会をしていた時期もあります」
昨年10月、母親は松原容疑者と出会い系アプリで出会い、交際をスタートさせた。桜利斗ちゃんと3人で同居を始めたのは今年の5月になってからだ。松原容疑者による“虐待”は同居後、一気にエスカレートしたようだ。
「市役所に虐待の通報があったのは全部で3回です。昨年1月と今年4月に桜利斗ちゃんが通っていた保育園から通報があったのと、今年6月に第三者からの通報がありました。保育園からは2回とも『桜利斗ちゃんが怪我をしており、たんこぶもある』という内容でした。第三者からの通報は、『松原容疑者と母親が虐待をしている』ということで、具体的には、松原容疑者が桜利斗ちゃんの顔を叩いたり、おもちゃを投げていたと。また、母親に関しては、桜利斗ちゃんへの言葉が粗っぽいという内容でした。
母親とは、今年6月に第三者の通報があった日の前日にも市の担当者が面談をしています。しかし、その時は特に変わった様子はなかったそうです。第三者からの通報があった後も市の担当者が母親に電話をしましたが、『心当たりも心配事もない』と言っていたそうです。
母親からも「松原容疑者が虐待している」と相談が…
しかし、今年5月には、母親自身からも『松原容疑者が桜利斗ちゃんを虐待している』という相談がありました。その時は松原容疑者とも市の担当者が面談し、『もう暴力を振るわないように』と注意すると、松原容疑者は『わかりました』と言っていたそうです。
一時保護については都道府県の管轄で、児童相談所が総合的に判断しますが、この件については摂津市役所と児童相談所で協議した末、一時保護ではなく、支援しながら見守りを続けるという判断になりました」(同前)
あくまで結果論になるが、この時、一時保護がなされていたら幼い命が奪われる最悪の事態は防げたかもしれない。周囲からの再三にわたるSOSや、桜利斗ちゃんの助けを呼ぶ声はついに届かなかった。松原容疑者は「湯を故意に浴びせていません」と容疑を否認しているという。
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