大学で電気電子工学を学んでいたまおさんと、元ポールダンサーのきょうこさんはギャルで電子工作を楽しむギャル電というユニットで活動している。
そんなお2人にギャル電について詳しく話を聞いた。(全2回の1回目/後編を読む)
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ギャルは発想が豊か
――ギャル電は、ギャルで電子工作をやるユニットということですが、お2人にとってギャルとはなんでしょうか?
きょうこ 私にとってギャルは、2000年代初めのギャルブームのギャルでした。ガングロメイクして、渋谷のセンター街の地べたに座って、溜まってるみたいな。ギャル=怖い人たちっていうイメージがなかなか抜けなくて。
――ギャルが怖いというのは見た目でしょうか?
きょうこ いえ、見た目よりも素行ですね。当時の渋谷とか絶対行きたくなかったです。素行が悪くて、自分たちの仲間以外は全部敵みたいな。田舎の花火大会のコンビニ前の光景がオールタイムなんですよね。その街で一番悪いやつらが、ずっと地べたに座ってるのでワイルドすぎる…。
――最初はギャルに苦手意識を持っていたんですね。
きょうこ そうです。私は、90年代のアメリカのサブカル映画とかに出てくる、クラスの端っこでめっちゃゴスなメイクしていて、ろくでもないギーク2人組みたいな青春を過ごしたので(笑)。ギャルみたいな考え方は、合わないと思っていました。でも大人になってから改めてギャルを見てみると、当時とはまた違う考えになって、ギャルの素敵な部分に目がいくようになったんです。
――素敵な部分とはどこでしょうか?
きょうこ 発想の豊かさです。だってめっちゃ漢字嫌いそうなギャルが、なんか面白そうという理由だけで、普通は使わないだろう漢字を自分たちのことばに取り入れて使ってるんですよ(笑)。例えば、パラパラに俄然をプラスして作った「俄然パラパラ」とか(笑)。あの時代のJKはみんなプリクラに俄然って書いていましたからね。俄然ってなに? とかは思わないんです。なんかかっこいいって理由だけでいいんです。そういう何かに囚われない考え方は素敵だなと思いました。
――俄然(笑)。たしかにそうですね。