その強い気持ちが女優業にも生きたのだろうか。2011年にはNHKの朝ドラ「おひさま」のヒロイン役を務め、年末には紅白歌合戦の紅組司会に。同年公開された映画『八日目の蝉』は日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得するに至った。
信仰関係も含め強く繋がる先輩女優
結局、2016年10月に、井上は元事務所を辞めた。そして同年末には実家の抵当権者から元事務所の名が外れている。
「12月から所属したのが、俳優・岸部一徳が社長を務めるやはり家庭的なサイズの事務所でした。ここを取り持ったのは、井上と信仰関係も含めて長い付き合いの岸本加世子でした。元の事務所を辞める直前に、岸部と岸本と井上と松潤の4人が一緒にいたとのちに女性誌に報じられています。松潤と岸本は共演歴がありますからね……」
岸本もほかの事務所に所属していたが、井上を追いかけるように2017年1月から岸部の事務所に移籍した。多くを語られない事務所移籍、それも大手事務所ではないことで「井上は干されているのではないか」という噂をたてられがちだった。
「井上真央を撮りたい」という映画界の声
「そうではなく、修行かのように映画をじっくりやりたがっていた。映画『焼肉ドラゴン』も『白ゆき姫殺人事件』も『カツベン!』も、『これはぜひやりたいです』と彼女が望んだものばかりです」(映画関係者)
今年1月に公開した『大コメ騒動』も時代物の主演。撮影はコロナ前の2019年だったが、富山弁の習得に非常に熱心だったという。
「去年の春には、今後公開される映画『閉じ込めた吐息』という主演映画の撮影をしていました。彼女は現場に入ると徹底的に役に集中するタイプで、その日の撮影が終了するまでは無駄話などに応じることはあまりないそうです。かといって『こうしたほうがいい』とか『これはできない』などと我を通すわけではなくて、監督の指示にも『やってみます』と静かに応じる。井上真央を撮りたい、という映画界の声は相変わらず多いんです」(同前)
新ドラマでは、算数担当の新任講師・佐倉麻衣を演じる井上。番組PRのためのバラエティ出演も予定されているという。1年以上待ったぶん、たのしみな露出シーズンとなりそうだ。