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拝啓 涌井秀章様 “愛の波動砲”G.G.佐藤からの手紙〜シーズン終盤、大激戦の果てにあるものはの巻

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/10/15
note

 拝啓 夜長の候、わくわくさん、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

GENERATION OF G.G.の最後の年に

 10月にもなると、色々なニュースが飛び込んできます。まず我々の盟友である松坂大輔投手が、10月19日の日本ハム戦で引退試合を行うことが決まりました。現在は、かつて涌井君も着けていた背番号「16」の松坂投手ですが、この日ばかりは特別に「18」を着けるとのこと。西武の粋な計らいに心を打たれますね。数々の名言を残してきた松坂大輔が、現役最後の日にどんな言葉を残すのでしょうか。

 松坂投手はわくわくさんにとって、横浜高校の大先輩。同じ西武に入団し、常に背中を追いかけてきた憧れであり、目標とも言える存在でしたね。松坂投手は日米で通算170勝。西武に入団し、鮮烈なデビューを飾ったとき、間違いなく200勝すると誰もが思いましたが、栄光の影で、本当に怪我との闘いが辛かった野球人生だったと思います。それでもあんな18歳は二度と現れないような気がするし、絶頂期はまさに世界最強の投手だったと思います。また、涌井君も今シーズン通算150勝を達成しました。ぜひ松坂先輩の数字を追いかけて欲しいです。

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涌井秀章

 一方セ・リーグでは、中日の山井大介投手が引退し、これで昭和53年生まれの僕と同い年の選手が現役からすべていなくなってしまいました。2021年が、GENERATION OF G.G.(自称G.G.世代)の最後の年になってしまうとは。というか、もう監督になる人とか出て来そうだし。でも、43歳のシーズンまでがんばった山井投手に最大級の賛辞を贈りたい。やっぱり同い年の現役選手ががんばっていると元気や勇気を貰えます。涌井君と同い年のファンもきっと、同じことを思っているはずだから、最後の最後までがんばって欲しいです。

 別れがあれば出会いがあるように、ドラフト会議が行われました。我が母校の法政大学からは、左投手の山下輝投手がヤクルトに1位指名、三浦大輔監督率いるDeNAがエースの三浦銀二投手を4位指名し、「G.MIURA」が爆誕しそうです。あとは、外野手の岡田悠希選手が巨人から5位指名され、「将来はトリプルスリーを達成したい」という頼もしい目標を語ってくれました。

  楽天は独自路線というか、石井一久監督兼GMらしいユニークな指名になりましたね。他球団がとにかく左腕を優先して指名するなか、1位~3位までが全員野手。3位に至っては前田銀治選手と、これでトリプルギンジを獲得しましたね。どうしたんですか、楽天は。シルバーコレクターなんですか(違)。

 まあ、これだけ野手を上位指名できるのも、楽天の投手陣が豪華だからに他なりません。わくわくさん、マー君を筆頭に珠玉の投手陣が首脳陣から頼られていることだから、まだまだがんばらないとダメですね。

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