優勝争いは「勢いvs経験」
さて、昨年に続き未曾有のコロナ禍のなかで開催された2021年シーズンもまもなく終わろうとしていますね。セ・リーグは、中田翔選手を電撃加入させた巨人が、まさかの失速。14日現在首位ヤクルトと10ゲーム差以上離されているので、日本シリーズ進出にはCSに賭けるしかない状況。阪神は2.5差でヤクルトを追いかけていますが、残り試合数や勝率など、ゲーム差以上に差がついていて、すでにマジックを一桁にしているヤクルトの勝ちはほぼ確実かと思われます。
一方、我がパ・リーグは相変わらずの大混戦。首位オリックスとロッテの差は1.5。今夜の首位攻防第3ラウンド次第でどうなっているのか分かりませんが、もしロッテが勝つようなことがあれば0.5差。残り試合数もロッテの方が多い。そして、わくわくさん率いる楽天が、首位と3.5差というなんとも絶妙な位置につけ、ロッテと同じくオリックスよりも残りゲームを多く残していますね。そして、楽天はオリックスと3試合の直接対決を残している。
僕は前回のこの連載で、9月24日から行われる丑ハム鴎9番勝負が最後のチャンスになると言いました。つまり、オリックス、日ハム、ロッテとの9試合ですね。ここを2敗程度で切り抜けなくてはいけないと。結果を振り返ってみると、4勝3敗2分(中止1試合)でした。最後のロッテ戦をマー君で落としたのはかなり痛手でしたが、それでも希望が持てる数字だったわけです。だからこそ、今でも楽天の手には挑戦権があるのです。
確かに上位2チームは強い。オリックスは、昨年までのソフトバンクのような強さがあるし、山本由伸、宮城大弥両投手の二枚看板は難攻不落です。ただ、優勝というものに対する経験値が懸念材料です。なんだか2015年のヤクルトとソフトバンクを足して2で割ったようなチーム状態ですね。
ロッテはバシっと型にはまったときの強さがNo.1です。ロッテがやりやすいような展開になると手がつけられなくなる。しかし、こちらも優勝争いという意味ではあまり経験がありません。
では、楽天の強みはなにか。それはやはり経験でしょう。楽天自体はこの10年優勝から遠ざかっていますが、優勝経験者は豊富に抱えています。CSを含めた最後の最後に、「勢いvs経験」という図式が生まれ、ここでの対決が鍵を握るのではと考えています。そういう意味でも、経験の塊であるわくわくさんの復帰がとにかく待ち遠しくて夜も眠れません。わっくん、早く帰ってきて。
ヒーローが帰ってくれば、経験のチームにきっと勢いが生まれるよ。
敬具
愛の波動砲・G.G.佐藤より
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