毎年9月にツイッター上で盛り上がる「#クソ現場祭り」をご存じだろうか。建設現場、解体現場、電設現場など、ハッシュタグを使ってさまざまな「現場」にまつわる面白ツイート、悲哀に満ちたツイートを投稿してみんなで楽しもうという企画だ。
毎年必ずツイッターのトレンド入りしており、今年の「#クソ現場祭り2021」もトレンド1位を獲得した。なかには「リツイート」や「いいね」の数が万単位に達するツイートもある。
しかし、現場のハプニングやアクシデントはけっして面白いものばかりではない。実際には「笑えない現場」「ヤバい現場」のほうが多いのだ。複数の現場関係者に取材し、リアルなクソ現場エピソードを集めてみた。(取材・文=押尾ダン/清談社)
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建築現場の基礎工事で不発弾が出てきて大騒動に
建設現場や解体現場でよくありがちなのが、建物の基礎を埋めるために地面を掘っていたり、古い建物を壊したりしているときに、“ありえないもの”が出てくるハプニングだという。
「数年前、わりと大きなマンションを建てるために首都圏のある現場で基礎工事をしていたとき、5メートルほど地下から『不発弾』が出てきたことがありました」と話すのは、建設現場で20年以上働いている中村博文さん(仮名、41歳)だ。
「長さ1m以上、直径20~30cmほどある不発弾で、現場が騒然となりました。その後誰かが110番通報したらしく、警察に加えて自衛隊の不発弾処理隊まで出動し、上空にはテレビ局のヘリコプターまで飛び始めた……。遺跡が出てくることはよくありますが、不発弾は初めての経験なのでビビりました」
地中深くからコンクリートで囲われた“謎の部屋”
建設会社で現場監督をしている谷賢一さん(仮名、47歳)も似たような現場に出くわしたことがある。もっとも、見つかったのは不発弾ではなく、さらに“いわくつき”のものだった。
「とある皇室関連施設の近くの建設現場で基礎を埋めるために穴を掘っていたとき、地中深くからコンクリートで囲われた“謎の部屋”が出てきたんです。あとから知ったんですが、その部屋は旧日本軍が戦時中に秘密裡につくった作戦室だそうです」
谷さんら現場は「ヤバいものが出てきた」と大騒ぎになったそうだが、別の意味で真っ青になったのは元請けのゼネコンだ。