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「衣装を着ることにおいては、生理はないほうがいいんです」フィギュアスケーター鈴木明子が囚われた“危うい思い込み”

『生理CAMP みんなで聞く・知る・語る!』より #2

 女性同士でも、母と子であっても、生理については本当に個人差があって、お互いのことはわからない。もっと気軽に話せるようになったらいいなと思います。

相談できるお医者さんを作っておいてほしい

――鈴木さんご自身の生理の症状はいかがですか?

 現役時代は、生理痛よりも排卵痛のほうがつらかったです。ふだんはナプキンで、演技をするときはタンポンを使用しています。引退後、オーガニックコットンのナプキンを使い始めたら、とてもよかったです。フィギュア選手は常に冷える環境にいるので、腹巻きをするなど冷え対策は非常に大事です。もし冷えに困っているのならば、試してみてほしいです。

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――今の10代に伝えたいことはありますか?

 私は半年に1回はレディースクリニックで定期検診を受けています。若い子はなかなか婦人科って行きづらいですよね。私は大学生のときに行くことになりましたが、最初はやはり怖かったです。

 でも、気づかないうちに子宮周りにトラブルができていたらもっと怖いなと思って。もし何か不安があるのであれば、先送りしないで、相談できるお医者さんを作っておいてほしいです。

心にゆとりをもって体と向き合ってほしい

 大学生で一人暮らしを始めた子なら、家のことも全部自分でやらなきゃいけないし、最近はコロナの影響もあって友だちには会えないし。そういう周りのことが生理に影響しやすいと思うので、生理周期をアプリでメモするだけでもいいし、自分の体に興味をもつようにしておけば、ちょっとした変化にも気づけると思います。

 今のつらい時期を超えたら楽になるなとか、今はイライラする時期だから人と会う用事をずらそうとか、うまく自分の体と付き合えるようになるといいですね。

 好きなものを食べて、眠いときは寝て、と自分を甘やかす時期を作ってあげたほうが、体にとっても自然だと思います。甘やかしたあとは、がんばるぞってメリハリがあれば問題ないと思います。

 これまでの経験を経て、私は「どうしたら自分がいちばんいい状態でいられるか」を常に考えるようになりました。こうじゃなきゃ自分はよくなれないって固執してしまうと、違う状況のときにだめだと感じてしまうので、余裕も必要だなと思います。少しのほころびがあっても対応できるように、心にゆとりをもって体と向き合ってほしいですね。