ひと昔前はパーティやホテルのビュッフェなどで供される特別な食事スタイルだった「食べ放題」。いまや専門店が乱立して価格競争も激化しており、ランチなら1000円程度で焼き肉や寿司まで食べ放題というチェーンも増えている。

 好きなものを、好きなだけ食べていい、という状態は、誰でもテンションがあがってしまうもの。人間の根源的欲求である「食欲」が全解放されることで、理性のタガが外れてしまうお客さんも中にはいるようで……。

 ということであらゆる世代に大人気の「食べ放題」での気になるお客さんの所業について、実際に食べ放題の店舗で働いている人に聞いてみた。(取材・執筆=素鞠清志郎/清談社)

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食べものを使ったいたずらで、機械を分解・洗浄するハメに

 南留奈さん(仮名)が、働いているのは、焼き肉を中心に様々な料理やデザートが食べ放題という人気のお店。土日は数時間待ちになるほど混雑するという。

 南さんが頭を悩ますのは子どもが起こす「事故」。食べ放題でよくやりがちな、さまざまな食材を組み合わせてオリジナル料理を作る行為が行き過ぎてしまうのだ。

「ソフトクリームを作る機械があるんですけど、その元となるミックス液を入れる供給口を勝手に開けられて、何かの食材を入れられたことがありました。

 お客さんから『ソフトクリームの色が変だよ』と言われて気づいたんですけど、どうやら子供が“味変”をしようと思ったみたいで。こうなると中身を廃棄して機械を洗浄しなくちゃいけないので、すごく大変でした。

 あと、綿アメの機械にも砂糖と一緒にアイスクリームのトッピング用のチョコスプレーを混ぜた子供がいて。中でチョコが溶けて機械の中がベトベトになってしまって、これも分解、洗浄することになりました」(南さん)