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籔本理事長は安倍首相のゴルフ仲間

 大阪出身の籔本氏は、父親が創立した病院を引き継ぎ、大阪に7病院のほか介護老人保健施設などを擁する関西屈指の病院グループに育てあげた。大相撲の朝青龍のタニマチとして大阪・北新地では有名な存在だった。政治人脈も豊富で、安倍晋三元首相のゴルフ仲間として、首相動静にもたびたび登場している。

「籔本氏は自民党の中山泰秀議員と昵懇の仲で、彼から14年4月に大阪の牛肉割烹の店で、安倍晋三首相を紹介され、意気投合したそうです。籔本氏の父は山口県の宗教団体『新生佛教教団』に入信しており、そこを支持基盤にしていたのが安倍氏の父、晋太郎氏だった。親同士の縁を知り、2人は急速に親しくなった」(籔本氏の知人)

日大の本部

田中氏と籔本氏を繋げた人物

 その頃、籔本氏が得たもう一つの太い人脈が、日大の田中氏だった。

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「籔本氏は14年に、日大相撲部出身の遠藤関の後援会『藤の会』の会長に就任しています。田中氏は当時、日大相撲部の総監督を務めており、殊の外、遠藤のことを可愛がっていた。遠藤もまた田中氏の妻、優子夫人に誕生日プレゼントを欠かさず、“東京のお母さん”と慕っていた。遠藤の後援会組織を作るにあたり、田中氏が人を介して籔本氏に会長を依頼したのです」(日大関係者)

 田中氏と籔本氏を繋げた人物こそ、特捜部が、今回の疑惑のスキームを主導したとみている日大の理事、井ノ口忠男氏(64)である。

 日大アメフト部の元主将である井ノ口氏はスポーツ用品の販売などを行なう「チェススポーツ」を経営している。田中氏の最側近である井ノ口氏は、大学の納入業者の選定を一手に手掛ける日大事業部の役員も兼務。事実上、日大事業部をコントロールする絶大な影響力を持つ存在だ。