昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/10/29

今後の捜査の鍵

「今回のスキームでは、井ノ口氏が佐藤総合計画に2億円を籔本氏側に送金するよう指示したとみられています。一方で、佐藤総合計画を日大に紹介したのは、自民党の故野中広務元官房長官の元秘書(今年2月に死去)で、日大と取引のある葬儀業者を通じて田中氏に持ち込んだ。病院の建て替え計画は、田中氏が井ノ口氏に同社を繋ぎ、井ノ口氏が実務を担当する日大管財部に紹介したという流れです。特捜部はコンペそのものの正当性にも疑義を持っています」(地検関係者)

 今後の捜査の鍵は、田中氏と井ノ口氏、籔本氏との関係性と、2億円の行方だ。

「田中氏はすでに任意で複数回事情聴取を受けています。本人は、『まったく知らない。金が(医療コンサルに)渡っていたことは後で知った。井ノ口に聞くと工作資金だと言うが、何の工作かもはっきりしない。籔本は大学とは何の関係もない』などと話しています」(同前)

 約2年前から体調を崩している田中氏は、9月12日に検察側に診断書を提出。優子夫人もそろって翌日から入院したという。

 一方、井ノ口氏は検察に対し、「私はお金を受け取っていません。田中理事長も長年貯め込んだものが相当あるので、お金には困っていません」などと疑惑を否定している。

 特捜部の狙いは、籔本ルートを解明したうえで、井ノ口氏を入り口に日大の最高権力者である田中氏に迫り、巨大な利権構造にメスを入れることである。長年、国税当局や警視庁そして検察当局が切り込めなかった日大という「伏魔殿」を、田中氏はいかにして築き上げたのか。

後編に続く)

日大『田中帝国』の土俵際」の全文は、「文藝春秋」2021年11月号と「文藝春秋digital」に掲載されています。

下記サイトでこの記事をより詳しく購読できます↓
※ロゴをクリックすると各サイトへ移動します
文藝春秋

この記事の写真(2枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文藝春秋をフォロー
z