「俺をバカにしてるのか!」「最低の店だ! 土下座しろ!」
「70代くらいの男性客が、長く待たされて通された席が気に食わなかったのか、対応していた女の子のスタッフに『俺をバカにしてるのか!』『最低の店だ! 土下座しろ!』と、怒鳴り散らしたんです。
店も混んでるし、先方は怒り狂ってるしで、店内は騒然。声を聞きつけて出てきた店長が『うちのスタッフには、お客さまに失礼なことをするような人間はいません。お帰りいただいて結構です』と突っぱねたんです。その瞬間、店内に安堵感のようなものが広がったのを覚えています」
スタッフにも「謝らなくていい」と伝え、ひと言も謝らずにクレーム客を追い返すことに成功。もちろん、店側に明らかなミスがあれば謝罪するものの、難癖に近いクレームには折れずに対応してくれる、と三嶋さん。
「クレームを受けて、何度か『辞めたい』と感じたこともありますが、今のところ退職するつもりはありません。お店側がスタッフを守ってくれるので、飲食店のなかでも働きやすいお店だと思います。それに、コロナ禍で営業時間が短縮されて大変な時期でもうちの味が好きで来てくれる人もいるので、このときばかりは常連さんのありがたさを実感しました」
常連の態度や上司のクレーム対応は、スタッフのモチベーションにもつながるようだ。
かっぱ寿司「全皿半額」キャンペーンで
9月26日、回転寿司チェーンの「かっぱ寿司」が、全店舗で「全皿半額」キャンペーンを実施した。その日は開店前から長蛇の列ができ、店の周辺は大渋滞、店舗によっては10時間以上“待ち”が出たケースもあり、かっぱ寿司はサイト上に「お詫び」を掲載。クレームも殺到し、新たに次回使える半額クーポン券を発行したところ、クーポン券がフリマアプリで転売されるなど、かなりカオスな状況に陥っている。“全皿半額”という謳い文句も影響しているが、日本人の寿司好きが招いた騒動とも言える。
日本人の愛する寿司が気軽に楽しめる回転寿司。より快適に味わうためにも、スタッフへの感謝を忘れずに接していきたいものだ。