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これを知った桜井被告は激高。事あるごとに「お前のせいで民事裁判に負けそうだ」と新井被告を攻めたてた。まるで脅しのように。ここに来て2人の”主従関係”が完成した。
折からのコロナ禍で、持続化給付金の”詐欺”を思いついた桜井被告。
新井被告に対して、2つのペーパーカンパニーの売り上げを偽装するよう指示。この2社は投資運用のために設立されたものだった。まんまと200万円をだまし取るのに成功すると、その後、”詐欺”をエスカレートさせていく。
ところが21年6月、銀行関係者から、警視庁捜査2課にマークされていることを聞かされる。2人は、すぐに証拠隠滅を図る。経産省の地下3階で、電動ドリルを使って自分たちのスマホを破壊。さらに、そのスマホを横浜・山下埠頭に捨てに行った。
金、詐欺、裏切り、盗聴、脅し、”ヤバイもの”は海に捨てる。しかも海には愛車のベントレーで向かっていた。これは半グレじゃなく、まるで「アウトレイジ」の世界だ。
なぜ経産省はこんな男たちを採用したのか。見る目がなさすぎる。とは言え、今後の被告人質問が楽しみだ。
(イラスト:法廷画家 石井克昌)