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給与を「レジから持っていって」

「麺匠 八雲」でのFの業務内容は大きく分けて3つあるという。1つは野菜やスープなどの食材を車で店に届けること。2つめは業者との取引窓口、そして3つめが従業員の管理だ。以前は採用面接や給与面にも関与していたが、その管理はずさんなものだったという。別の元従業員が語る。

「入る時から雇用契約書がなく、働き始めても当初Fから聞いていた月給より10万円ほど低い待遇でした。しかも毎月のように、無断で給料日よりも支払いが遅れるんですよ。梅澤さんに『どうなっているんですか』と尋ねても、『キャッシュカードをなくしちゃった』などの不思議な言い訳をされ、1カ月遅れたりとかすることもザラでした。他の従業員たちも同じ状況だったと思います。

 支払われ方もバラバラで、梅澤さん名義で振り込まれた月があったと思えば、封筒に全部1000円札で手渡しでもらう時も。急ぎでお金が必要だと伝えたら、Fに『レジから持っていって』と言われたこともありました。もちろん給与明細もなくて。未払いの分も数十万円くらいあったと思います」(同前)

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 Fが愛知県で経営に携わっていた唐揚げ店で働いていたという人は、この状況を「昔から何も変わっていない」と声をひそめる。

 

「Fがオーナーを務める唐揚げ屋で働いていました。私はFから直接誘われて働くことになりました。『うちに来たら20万円以上出しますよ』と言われていたのですが、実際の給料は月14万円ほど。雇用契約書を作っていなかったのでこちらも強く出られなかったんです。給料の遅延も日常茶飯事でした。

 そのくせ本人はバンド活動をしていて、店に着払いでバンドの機材が送られてくると『レジ金から払っといて』というような状態。電気代やガス代の催促の電話も何度も受けました。F自身が唐揚げのタレの仕込みをしたりしていましたが、地元の地下アイドルも何人か働かせていました。Fは自分の思い通りいかなくなると逆上する性格で、従業員の胸倉を掴んで罵声を浴びせることもありました」