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「髪がボロボロになる」イメージがあるけど…美容師が教える「カラーで髪を痛めない方法」

2021/10/24

 また、「もっとちゃんと染まって欲しいから」という理由で、薬剤を塗ってからパッケージに明記された規定の時間以上置く方もいるようですが、薬剤が作用する時間の長さには限りがあるので、既定の時間以上置いても効果はありません。むしろ、髪の毛や頭皮を薬剤に触れ続けさせることで、負担がかかり続けてしまいます。

安価な価格帯の美容室は△

 もちろん美容室でカラーをすれば、過度なダメージは抑えることができます。しかし、ダメージの程度は、美容室が扱う薬剤次第で大きく変化します。美容業界へ薬剤を提供するメーカーは数多あり、美容室側の多様なニーズに合わせるために、薬剤もピンキリで用意されているのです。

 最新の薬剤は、髪へのダメージを軽減しながら理想のカラーリングに繋がるよう進化しています。それらは、髪への負担の大きかった従来の薬剤との差別化を図るために、値段も高めに設定されていることも多いです(もちろん配合する成分にお金がかかっているためでもあります)。

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 特に最近では、ハイトーンのカラーの需要が増えたこともあり、「ヘアブリーチ」の進化が著しいです。髪をケアしながらブリーチするための薬剤や技法がSNSによって美容師に広がり、「ブリーチした髪は、ガシガシに髪が傷んでしまう」という従来の価値観は変わりつつあります。

 ですが、こうした最新の薬剤は高額であるため、そして、最新の技法には手間がかかるため、お店によって導入していなかったり、別料金としてメニュー化されていたりします。

 

 高級な薬剤を使って顧客満足度を高めるのか、「売上」を上げるために安いものを使うのか。「材料費」に対する考え方は美容室、美容師によってスタンスが異なります。

「ブランディングされた高級美容室」であれば薬剤も高級品、とは必ずしも言えませんが、「安価な価格帯の美容室」であるほど、安価な薬剤を選ばざるを得ません。

 クーポンサイトに掲載されている美容室の中には、メニューに1.5倍~2倍もの価格の違いがあります。「安い」ことは美容室選びにおいてとても重要なポイントですが、「安い」なりの運営の仕方があるので、安さに頼ると理想のヘアスタイルに近づけないかもしれません。

 薬剤から受ける髪のダメージ具合、頭皮への影響は人によって様々です。上記のことに気を付けつつ、美容師さんによく相談しましょう。

「髪がボロボロになる」イメージがあるけど…美容師が教える「カラーで髪を痛めない方法」

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