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2021/10/26

source : 翻訳出版部

genre : ビジネス, 働き方, 読書, 経済

   現在の起業における主な資金調達方法は、株式(エクイティ)であって、負債(デット)ではありません。有望な事業であれば、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資してもらうことも可能ですし、事業に失敗したとしても、株の価値がゼロになるだけです。それによって、あなたの創業パートナーや投資家の出資金は消えてしまいますが、借金を抱えてヤクザに追い回されるようなことはまずありません(ただし、ベンチャーキャピタルから出資を受ける際には、「株式買取請求権」をできるだけ含めないようにするとともに、発動される可能性を低くするよう交渉する必要があります)。

副業起業家という選択肢も

 起業にまつわる誤解の4つ目は、「エリートでなければならない」です。

 たとえば、キャンプファイヤーという会社を創った家入一真さん。東京都知事選に出馬したこともあるので覚えている人もいるかも知れません。じつは家入さんは高校を中退しており、いわゆるエリートではないです。けれどもキャンプファイヤーは、超有望企業として近々上場が予定されています。このように起業の世界には、学歴はなくても世間知や現場力がある、商才にあふれた人がたくさんいます。2020年に起業した人たちの最終学歴データを見ても、大学・大学院卒は4割弱にとどまってます。学歴がいいほど最初は確かに有利かもしれません。けれども、時間が経って実戦の結果が出てくれば、学歴など関係なくなるのです。

 そして、最後にひとつ。「起業にまつわる誤解があるのは、よくわかった。けれどもいきなり会社を辞めるのは、まだちょっと決心がつかない」という人におすすめなのが、「副業起業家」です。まずは会社に勤めながら、副業として起業をはじめるのも手かもしれません(実際、「副業起業家」は、ちょっとしたブームになっています)。そうなのです。やる気さえあれば、どんなかたちでも、何歳であっても起業はできるのです。起業にトライしてみて、向いてないとわかったら、すぐさま撤退すればいいのです。ちなみに私自身、「もし40歳になってしまったら、もう結構なおじさんで、体力的にガタも来るかなあ」と、年を取ることを恐れていました。けれどもいざ自分が40歳を過ぎてみて、食生活と運動に気をつければ、まだ充分に動けるし、人生のPIVOT(方向転換)はできると感じています。

起業のすすめ さよなら、サラリーマン

佐々木 紀彦

文藝春秋

2021年10月26日 発売

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