「10月21日の15時頃に警察から『犯人を逮捕しました』という連絡がありました。逮捕された犯人の名前は私が初めて聞く名前でした。悔しさと怒りしかありません。容疑者が否認していることに対して不安もあります」

 文春オンラインの取材に涙ながらにこう語るのは亡くなった被害者の1歳年上の実姉だった。

宮崎英美さんの遺骨の前で手を合わせる宮崎さんの姉 ©文藝春秋

 2021年9月6日正午頃、埼玉県熊谷市にある家賃2万8000円のアパートの2階の部屋で、宮崎英美さん(27)が変わり果てた状態で発見された。警察に通報した第一発見者は、宮崎さんと連絡が取れないことを不審に思って、部屋を訪ねた知人男性だった。全国紙社会部記者が語る。

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「宮崎さんは布団に仰向けの状態で冷たくなっていた。捜査関係者によると、死因は首を絞められたことによる窒息死。着衣に乱れはなく、部屋を物色された形跡もなかったそうです。9月3日の午前2時頃に自宅から200メートルほどの場所にあるコンビニで、宮崎さんが1人で買い物をする姿が店内の防犯カメラに映っていたのが、警察が確認できた彼女の生前最後の姿でした。その後、遺体が発見されるまでの“空白の3日間”に何者かが宮崎さんを殺害したとして警察は捜査本部を設置、80人態勢で捜査を行っていた」

宮崎さんのアパートを調べる捜査関係者 ©共同通信

 事件から46日目、殺人の疑いで逮捕されたのは、東京・東村山市に住む派遣社員の冨田賢容疑者(32)だった。

「警察が現場付近の防犯カメラやドライブレコーダーを分析したところ、9月3日に冨田容疑者の借りたレンタカーが宮崎さんの自宅近くに停まっていた。また、冨田容疑者と宮崎さんは今年SNSを通じて知り合い、複数回宮崎さんの部屋を訪ねていた可能性があるそうです」(同前)

 現在、千葉県に住む宮崎さんの姉は、妹の遺体が発見された当日の様子をこう打ち明けた。