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 そうしないと口では政権交代だ野党共闘だと言っていても、本当は自分の党の議席が伸びるだけでシメシメなのだろうと思われてしまう。少なくとも私は意地悪にそう見る。

 決戦ムードを煽っていても選挙が終わったら自民も立憲もお互いに「勝った、勝った」では観客は白ける。だから野党第一党の振る舞いも問われるのだと思う。想像してほしい、政権交代ができなくても幹部の顔ぶれは同じ、そこそこの権力を握り、来年の参院選が近づいてきたらまた闘いだと叫んでみせる。この繰り返し……。

 こういう野党マジックがなんとなく続く限り、盛り上がるまつりも盛り上がらない。一般客を魅了できない。

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福山哲郎 ©文藝春秋

 こんなことも指摘されている。立憲の党勢が伸び悩む理由のひとつとして党内外から指摘されるのが、「結党の理念」の薄れであると。

まつりを盛り上げる責任がある

《枝野が訴えてきた「草の根」や「ボトムアップ」型の政治が、この間どれだけ定着したのか――。党内からは、枝野とその周辺幹部を中心に進む党運営のありように、「枝野1強」との揶揄(やゆ)も漏れる。》(朝日新聞10月22日)

 私は大きな権力を握る政権与党にこそツッコミを優先すべきと考えるが、立憲も野党では権力側と言える。皮肉にも大小問わず権力の座にいるとホンモノの与党に似てくるのだろうか。

 まだ日曜の投票日まで時間はある。枝野氏や幹事長の福山哲郎氏は野党第一党としての腹のくくり方を具体的に表明したらどうか。まつりを盛り上げる責任がある。