昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/11/15

もうひとりのロドリゲス ロニーへの思い

 そして、今季、新しくチームメイトになったのが、ロニー・ロドリゲス選手。彼はブライアンとは逆で最初からとっても陽気な登場だった。なんとオフはラッパーとして活躍しているという。アーティスト名はエル・フェリーノ。スペイン語で猫の意味。

「ホームランを打ったら猫ポーズをするよ!」、入団会見で約束してくれた彼だけれど、その1本はなかなか出なかった。そもそもヒットすら出なかった。あんまり打たないから、三振の後にぴょこんとステップするのを見て足の動きがかわいいな、足が長いな、なんて別のところに面白みを探した。

 14打席連続ノーヒットのさなか、コロナに感染……復帰した5月25日に初安打、翌日には初ホームラン。「眠れぬ日々を過ごしていたよ……」なんて言うものだから、意外に繊細なところもあるのかとファンの気持ちは急速にロニーに寄り添った。

猫ポーズのロニー・ロドリゲス

 ロニーは私たちの思うドミニカンのイメージそのものだった。ベンチでは楽しそうに笑い、喜び、悔しがり、仲間を思う。タイムリーコメントに谷内選手や王選手が登場することもあって、その時は彼らのことを「アミーゴ」と呼んで親しさを表していた。今季でチームを去る栗山監督や斎藤佑樹投手を思いやるコメントもあった。お立ち台で得意のラップを披露してくれたこともある。終盤はどんどん打てるようになってきていて、チームにも絶対必要な選手になっていた。だから、10月17日に足を痛めてしまったのはとても残念だった。結局そのまま登録されることはなかった。

 10月27日、ブライアンとロニー、ふたりのロドリゲスはシーズン終了を待たずにドミニカ共和国へと帰っていった。来季、僕らのアミーゴ、ブライアンにはまた会えることは決まっている。でもロニーについての連絡はチームからはまだない。1年契約だったからこのままお別れという可能性はもちろんある。

 でも、「猫ポーズ」はファンに浸透するには数がぜんぜん少なかったし、そのポーズは両手をあげて掌をバーンと広げるもので、正直、猫なのかどうなのかも実はよくわからなかった。だからもう少しちゃんと私たちに説明してほしい。

 あと、自分の曲を登場曲にするって言っていたのに最後まで違うのを使っていた。だから私たちにちゃんとエル・フェリーノの曲を打席で聞かせてほしい。

 ブライアンとのダブル・ロドリゲスショットだって、もっと見たかった。僕らのアミーゴ、ロニー。言いたくないんだけどな、まだ、アディオスは。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2021」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/49628 でHITボタンを押してください。

この記事の写真(2枚)

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
z