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客は「普通の人」ホストやキャバ嬢、中年のおばちゃん…

 捜査関係者によると、バカボンは伝票などから「少なくとも昨年6月以降で1億7000万円を荒稼ぎしたことがわかっている」という。

「バカボンは確かに人気店で稼いでいたようですが、新規客の取り込みを優先したためか、セキュリティが緩すぎました。普通は重厚な扉がまず入口にありますが、バカボンは横にスライドさせる白い戸だけ。摘発逃れのため、1年ぐらいで物件を移すのが普通ですが、場所も変えませんでした。

 また、他の店なら、警察関係者か見極めるために保険証などの身分証を提示させ、コピーを取って確認してから入店させます。一方、バカボンは電話番号を伝えるだけで、身分証の確認は一切なし。客からすれば、摘発されても足がつく心配がありません。

バカボンの周辺にはホストクラブや飲食店が軒を連ねる ©文藝春秋

 入店の心理的なハードルが低いため、初心者の客も多く、いつも賑わっていました」(闇スロ関係者)

 違法ギャンブルといえば、“ツワモノ”が集うイメージがあるが、闇スロは正規のパチスロを打ち慣れていれば勝手が分かり、特に入場料金がかかるわけでもないため、客にとっては敷居を跨ぎやすい“入門ジャンル”だ。前出の元常連客が語る。

「客は、仕事終わりのホストやキャバ嬢もいれば、スーツ姿のサラリーマン、中年夫婦、学生まで様々です。私の印象に残っているのは、散歩のような恰好で毎朝ふらりと来店し、2~3時間打ち帰っていく中年のおばちゃん。闇スロが朝の日課になっていたんでしょうね」

“懐かしい”と喜ぶ昭和生まれの客

 他の闇スロ店は朝9時には閉店するのが一般的だというが、バカボンの営業は午前12時までと長く、他の店舗から流れ込んでくる客も多かったようだ。店内には47台しかないが、毎週月曜日の“イベ日(イベントが開催される日)”になると、開店前から店内に50人ほどの列ができることもあったという。行列の秘密には、昭和世代の心をくすぐる工夫もあったという。

「バカボンの台は、大当たり時の枚数が多く射幸心を煽り過ぎるという理由で2000年代に姿を消した4号機や、その後の5号機がメイン。“懐かしい”と喜ぶ昭和生まれの客も多いんです。

新宿のある闇スロ店内 ©文藝春秋

“イベ日”になると、当たりが出やすい『設定』の台にバカボンパパ、トト子、ウナギイヌなどの絵柄が描かれた札が付いています。こういう煽り方も、今のパチスロ屋にはない昭和臭さを感じるんですよね。