“遠隔”の噂も…帰ろうとした途端に大当たり
また、闇スロは喫煙が厳しくなった正規店と違い、咥え煙草で遊べます。バカボンは2、3時間に1度、店員が『煙草は要りますか』と声をかけてきて、要望すればコンビニに買い出しに行ってくれました。客の台が当たれば、『当たりスタートしました!』と盛り上げたり、『今日調子良いですね』とフランクに声をかけたり、常連と話が盛り上がる店員の姿もよく見ましたよ。正規のパチスロよりもサービスが充実している印象でした。
店内はソフトドリンクやカップ麺は食べ放題です。他の店舗に比べると、カップ麺の種類も多いですし、おにぎり、お菓子もメニューが豊富。油淋鶏や棒棒鶏の丼モノの出前も置いてあり、好きに食べて良いという充実ぶりでした」(同前)
一方、違法ギャンブルには、常に黒い噂もつきまとう。その代表が“遠隔”で、店側が客の当たりをパソコンで遠隔で操作しているというもの。バカボンもその例外ではなかったようだ。別の元常連客が語る。
「バカボンは客の間で、遠隔が疑われていました。他の店舗でもそうした噂はありますが、私自身の経験でも、遊んで全く当たらず帰ろうとした途端、いきなり大当たりを引くことが多く、人為的な意図を感じることが特に多かった店舗です。
普通のパチスロであれば、1台に多額の金を注ぎ込んで改造するのはコスパが悪いでしょうが、闇スロなら動く金額が大きいので、元手を回収することもできるはず。取り締まりの目も行き届かないため、“遠隔”のリスクは高いと思います」
中年・若者にも広がる違法ギャンブルの波
闇スロは都内では新宿、渋谷、池袋の副都心に多いというが、東京以外でも北は北海道、南は沖縄まで、「繁華街があるような街」には珍しくないという。コロナ禍で店舗数が増えたこともあり、今後摘発も増えるのではないかと前出・闇スロ関係者は警戒する。
「身分証のチェックは今より厳格に行い、新規客の呼び込みを減らすかもしれません。ただ、いずれにしても海外のカジノのようにカードゲームを楽しむ“闇カジノ”も好調ですし、日本から違法ギャンブルがなくなることはないでしょうね。
少し前、“インカジ”と呼ばれる、店内にパソコンを並べてオンラインカジノを楽しむインターネットカジノが流行りましたが、最近はスマホで楽しむ若者も増えています。違法ギャンブルのハードルは、昔よりも随分下がったのではないでしょうか」
昭和を懐かしむ中年にも、若者にも広がりつつある違法ギャンブルの波。バカボンの“見せしめ”は彼らの心に届くのだろうか。