選挙CMには尺が長すぎる日本共産党
日本共産党は2分20秒のプロモーションビデオだ。「なにより、いのち。LIFE」という白文字が浮き上がる映像の後で、志位和夫委員長が語り始める。次々と切り替わる映像もメッセージと合っていてわかりやすい。創造や変化というより、政治に真面目に取り組む姿勢が印象づけられるが、2分は長い。
国民民主党は、わかりやすいが軽い印象
国民民主党のCMは、企業のCMのような見せる作りになっている。玉木雄一郎代表が文章の区切りごとに身体の向きを変え、その度に黄色の背景に映し出されたオブジェクトがアニメーション効果で動くため、伝えたいメッセージが強調されるのだ。
「給料が上がる経済へ」と背景に出た大きな2つの矢印とともに両手の拳を上げ、「つまり」と人差指を立てる。キャッチーな「給料アゲアゲ」のフレーズとともに一歩前に出て声のトーンを変える。最後は「動け、動け、日本」という背景で玉木氏が走り出す。躍動感があって、わかりやすく面白い。だが軽い印象で、政権を任せたいという気になるかどうか。
れいわ新選組は、掴みはいいが暗い印象
れいわ新選組は元役者だけあり山本太郎代表の演出がうまい。少々不穏なサウンドが流れる中、目をつぶった山本氏が映し出され、目を開くと神妙な顔で「議員バッジを失って2年」と告げ、最初の掴みがいい。瞬きや目をつぶるタイミング、頷き方や首の傾げ方、細かな表情、間の取り方、言葉の抑揚はさすがで、上半身と顔のアップしかないのに、飽きずに見てしまう。
だが、紫の背景の色が濃いまま最後まで変わらず、メッセージも暗いものが多いため重苦しく、将来を託そうという明るい印象は薄い。
メッセージが弱く印象に残らない社会民主党
社会民主党のCMは短くてコンパクトなのはいいが、残念なことにメッセージの強さが感じられない。福島瑞穂党首が「弱音をはける社会へ」と淡々と呼びかけるだけで、言葉も仕草も心にひっかかるものがなく、印象に残らない。
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」はCMがなかった。
各党のCMを、あなたはどう見るだろう。そして、多くの選挙区が大激戦と伝えられている総選挙では、誰が、どの党が勝利するのか。結果は日曜日の夜に出る。