文春オンライン

自民党は“寒い”、立民は“インパクトなし”…各政党の選挙CMの出来栄えを採点する

2021/10/29

genre : ニュース, 政治

note

立憲民主党は、インパクトがなく早口なのが残念

 立憲民主党はというと、これまたインパクトがない。枝野幸男代表の背景は白のまま変化なし。枝野氏の話し方は聞き取りにくいのに早口のため、言葉が流れてしまう。テレビCMのナレーションのように、一語一語をもう少しゆっくり話してほしかった。

 呼びかけに合わせ、両手のひらを上に向けるかその手を握るか、胸の高さで拳をにぎるだけで、バリエーションが少なく手の振りも広げ方も小さい。どの仕草も手は身体の前だけで、身体から離れることがないため、力強さもリーダーシップもアピールできていない。

「わたしたちとともに」と言いながら、握った両手を広げて前に出すが、「政治を変えましょう」では上半身しか映っておらず、その両手はフレームアウト。せっかくのアピールポイントが台無しだ。

ADVERTISEMENT

「まっとうな政治を取り戻しましょう」と締めたが、肩の高さに上げた拳の振り方は小さい。政権を奪取したいなら、立ち位置を変化させ、仕草や表情を使い、もっと自分を大きく精力的に見せた方がよかったと思う。

まっとうな政治に、変えよう。立憲民主党 #衆院選2021

公明党は、まとまり・安定性がある「ザ・政党の選挙CM」

 政党の選挙CMというイメージに一番近かったのが公明党だ。山口那津男代表の「小さな声を聴く力がある」というメッセージに合わせ、映像が細かく切りかわり、言いたいことを強調していく。背景も事務所風のため無機質ではなく、自然で温かみがある。

「公明党にお任せください」と呼び掛ける時は、手を上げ握り締めるという仕草を見せ実行力をアピール。破壊力や突破力はないが、まとまりや安定性を感じさせた。

【2021衆院選】公明党CM(山口代表メッセージ編)

言葉と視覚のイメージが一致しない日本維新の会

 日本維新の会は、党のイメージカラーである緑の背景に松井一郎代表が映し出され、「そこで困っている人を救えるかもしれない」とナレーションが入る。その後、背景に国会議事堂や浅草雷門、大阪城などの白黒映像が続くが、CM後半「全ての人々が立ち上がる為に」というナレーションの後に流れる映像と同じ。だが、そこに“人”は映っておらず、言葉と視覚のイメージが一致しない。

 もし「我々が実践して来た実行力を、今こそ日本の未来へ」と上げた拳がアップにされた後、この白黒映像がカラーになって流れたら、もっと“日本の未来へ”が効果的に印象づけられたと思う。

「日本の未来へ」