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《11人中9人が東大法学部卒》「最高裁裁判官の国民審査」って何を見ればいい? NHKがマニアックな特設サイトを作った意外なワケ

《11人中9人が東大法学部卒》「最高裁裁判官の国民審査」って何を見ればいい? NHKがマニアックな特設サイトを作った意外なワケ

genre : ニュース, 社会

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特設サイトの狙いは「裁判を知らない人にも十分な情報を…」

「きっかけは『裁判官1人1人がどんな判断をしたのかわからないと審査のしようがないのでは』という記者の素朴な問題意識です。NHK ではこれまでも国民審査の告示や結果についてお伝えしてきましたし、最高裁の判決などはその都度詳しく報じています。しかし、『審査対象の裁判官がどのような判断をしたのか』という視点で情報をまとめて提供する必要があると考え、少しでも投票の参考になればという思いでサイトを立ち上げました。狙いとしては、『裁判を知らない人にも十分な情報をわかりやすく伝える』ということをかなり意識しました」

 サイト設立の経緯と狙いについて尋ねると、NHKからはこのような回答が届いた。

 確かにサイトを見ると国民審査の説明から裁判官のプロフィール、どういった裁判でどのような判断をくだしたのか――ということまで見やすくまとめられている。中には裁判官の趣味を紹介しているページまである。

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今回審査対象になる11人の最高裁の裁判官たち NHK特設サイトより

重要訴訟における裁判官の考え方を一覧で明示

「審査対象の裁判官が関わった判決や決定は数多くありますが、判決時に大きく報道されたもの、SNS の検索状況などから関心が高いと思われるもの、個別意見があり裁判官の“個性”が垣間見えるものなどを中心に 30 の裁判を紹介することにしました。このうち大法廷で最近判断が示された、いわゆる『夫婦別姓訴訟』と『1票の格差訴訟』は、各裁判官の考え方を比較できるよう一覧にまとめました。

 また、デザインも力を入れた点の1つですが、投票権を持つ若い世代にも関心を持ってもらえるよう、NHK で働くアルバイトの学生など 10 代 20 代の若者に『どんなサイトなら見ようと思うか』意見を聞きました。最初の案の中にはもっとポップなデザインもありましたが、『最高裁のイメージとは違う』などの声を踏まえて何度も修正し、現在のデザインに決まりました」(NHK)

「注目の裁判」としてまとめられている裁判の中には、判決時にSNSで賛否両論が巻き起こったものもある。