明日、10月31日は第49回衆議院議員総選挙の投票日である。
連日テレビのニュースでは各候補者の選挙活動が報道され、街では選挙カーが候補者の名前を連呼している。図らずも、多くの国民が衆院選の情報に触れていることだろう。
しかし、衆院選の同日に投票が行われる「最高裁判所裁判官国民審査」については、どの程度知っているだろうか。
投票はするけど全然知らない「最高裁裁判官の国民審査」
そもそも、最高裁判所裁判官の国民審査とは…何なのか? 簡単に説明すると、最高裁判所の裁判官を続投させるか、辞任させるかを国民が投票で決める制度である。任期中の裁判官を罷免する方法は弾劾裁判もあるが、これは国会議員が判断するため、国民審査は国民が直接裁判官に評価を下せる唯一の機会である。
とはいえ、最高裁判所の裁判官なんて雲の上のような存在だ。
自分たちの生活とどこまでかかわりがあるのか分からない。「どんな裁判官がいて、どんな判決をくだしているのか知らない」という声がほとんどだろう。事実、これまで国民審査で罷免された裁判官はひとりも存在せず、「制度の形骸化」を問題視する声はたびたび上がっていた。
実は最高裁判所の判例は裁判所のHPから検索して誰でも閲覧することができる。
ただ、どの裁判官がどういった判決を下したのかは、膨大な判例を読んで、判例末尾にある裁判官の名前までチェックしなければならない。ある意味、国民審査は一部の熱心な人しか関心を持てなかった「マニアックな投票」だったのである。
そんな中、NHKがその「マニアックな投票」にとてつもない労力を割いた「最高裁判所裁判官 国民審査 2021 “憲法の番人” ふさわしいのは」という特設サイトをオープンさせた。