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分配の財源は「成長の果実」から

 そして岸田総理は、分配政策の財源については「成長の果実」からと言及。「みんなにお金を使ってもらう」ことの重要性を強調した。

阿川 具体的にどうするんですか?

岸田 成長の果実を経営陣が独占するのではなく、分配し、みんながお金を使ってくれてこそ次の成長につながります。まずは、民間の給料引き上げを促し、成長の果実、企業の収益を皆さんの給与アップにつなげていくことが大事です。これを後押しするために、賃上げ税制の抜本強化や下請けいじめの防止などに取り組んでまいります。同時に、国の立場でも、公的に賃金が決まる看護師や介護福祉士、保育士の働き方や収入を改善します。勤労者皆保険の実現など、みんなで支え合う持続可能な全世代型社会保障制度の構築に向け、新たな会議を立ち上げ議論を進めたい。

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 所得や給料を幅広く引き上げることによって、みんなにお金を使ってもらう。消費を拡大することで、次の成長につなげるのです。

阿川 分配政策の一環で現金給付するとなると、財源はどうするんですか。

岸田 分配だけでは成長ができなくなり、分配をするパイもなくなる。まずは、「成長なくして分配なし」。成長の果実を、分配の財源として考えていくべきです。

矢野次官の処分は?

 注目すべきは、矢野康治財務事務次官の処遇についての質問だ。

阿川 本誌先月号で、財務省の矢野康治事務次官が、政治家によるバラマキ政策を批判された。どう受けとめていらっしゃいますか。

阿川佐和子さん

岸田 いろんな議論があっていいと思っています。ただ、政府の結論が出てから「自分の意見はこうだから」と言うのでは、政府としてけじめがつかない。最後に結論が出たら従ってもらえると、私は信じております。

阿川 現時点で矢野次官の処分はお考えですか?

岸田 全く考えていません。

 阿川氏の「聞く力」によって、二階俊博元幹事長の処遇、「岸田ノート」の中身、妻との関係性などについても思わず赤裸々な本音を語った岸田総理のインタビューは、「文藝春秋」12月号(11月10日発売)に掲載されている。

文藝春秋

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