娘の寝かしつけ後も「容赦ない」呼び出しが
――紅蘭さんがお父さんから頼られているということですよね。どんなことで呼び出しが?
紅蘭 3日前にあったヘルプは、「指が痛い」。半年前も1年前も同じように痛くなって、その度にレントゲンを撮っても異常なし。
でも家族全員わかってるんです。原因はシャンパンとワインの開け過ぎってことを。
――紅蘭さんがその痛みを取る……?
紅蘭 父はものすごくマイナス思考の人で、ちょっとどこかが痛いだけで「がんかもしれない」と大騒ぎするんです。だからまず話を聞いてあげて、「大丈夫だよ」と落ち着かせてあげて。そもそも電動のワインオープナーをすでに買ってあげてるんですけどね……。
――電動のワインオープナーが使えなかったんですかね?
紅蘭 「USB充電がわからない」という理由で呼び出されたこともありますし、それこそ1週間前はそのワインオープナーが使えなくて、ワインを開けるためだけに実家に行きました。まあ近いからいいんですけど。でもママでも開けられるわけですから、会いたい口実なんだと思います。
――はたから聞いていると微笑ましく感じますが、小さいお子さんがいたら大変ですよね。
紅蘭 娘を寝かしつけ後でも容赦なく呼び出しがあります。だいたいは頭痛がするとかいう体の悩みが多いんですが、それを私が「大丈夫だよ」「年齢的なことだから」とかって説明すると安心して、「そうだよな」って前向きになっていくんです。
――紅蘭さんが草刈正雄さんのメンターだったんですね。
紅蘭 そうですね。演技に関しては褒めると伸びるタイプなので、「パパは才能あるから」と励ましたり、SNSでいい評判だけを抜粋して時々教えてあげて、高いモチベーションを維持できるように気をつけています。
――メンターであり、マネージャーでもあるような……。
紅蘭 新しい仕事のオファーも、「紅蘭の意見を聞いてから俺に話してくれ」とかってマネージャーさんに言ってます。母からは「バカ言ってないで。今は紅蘭の方が忙しいんだからできるわけないでしょ」と諌められています。
でも父のマイナス思考のおかげで私自身が鍛えられました。そういう意味でも、感謝しかないですね(笑)。
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撮影=深野未季/文藝春秋
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