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「子どもを“子ども扱い”しない」父の教え

――孫とおじいちゃんのデュエットはさすがに童謡ですか。

紅蘭 いえ、ブラックミュージックとかです。

――『森のくまさん』じゃないんですね。

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紅蘭 昔、娘が泣き止まなくて困った時、YouTubeで「赤ちゃん 泣き止む」で検索して出てきたオルゴール調の子守唄を聞かせていたことがあったんです。そうしたら父が血相を変えて飛んできて、「おいおい、ふざけるな。そんな曲を流してるんじゃない」と言って、マーヴィン・ゲイに変えさせられました。

 

――赤ちゃんはソウルミュージックで泣き止みましたか。

紅蘭 マーヴィン・ゲイも「赤ちゃん 泣き止む」もダメだったので、どっちも変わらなかったです。

 父は「なんで子どもだからって“子ども仕様”にするんだ」っていう人で。私の時からそうなんです。

――子どもを「子ども扱い」しないんですね。

紅蘭 親が先回りして「子どもってこういうの好きでしょ?」と子ども向けアニメを与えるのではなく、親が好きなものを子どもも一緒に楽しめばいいし、いいカルチャーは子どもにもどんどん与えたい、ということだと思います。

 だから私、小さい時に流行っていた『セーラームーン』や『ポケモン』みたいな文化を一切知らずに育ったんです。子どもたちの中で流行っていたゲームも遊びも全然知らなくて。

――家では何を見聞きしていたのでしょうか。

紅蘭 1階も2階もMTVしかつけてなかったですね。だからずーっとプロモーションビデオ見てました。

 皆でテレビを見る時も「今日は金曜日、ムービータイム!」みたいな感じで、ディナーが終わったら家族でハリウッド映画を見る、みたいな。アメリカナイズじゃないですけど、父がそういう趣味だったんです。

 

――紅蘭さんがダンサーになろうと思ったのもそういった環境から?

紅蘭 そうですね。ヒップホップのミュージックビデオで、めちゃくちゃセクシーな女性が泡だらけになってアメ車の上で踊ってたりするじゃないですか。ああいうのを見て「カッコいい!」と思って、ダンスを習い始めたんです。

 今私も家でずっとプロモーションビデオを流してますね。子どももそれを見て……あ、いつの間にか私も父の教育法と完全に同じになってますね。ヤバいですね(笑)。

――紅蘭さんにお子さんができたことで父娘関係に変化はありましたか。

紅蘭 3姉弟の中で父のケア担当は常に私だったんですね。孫ができて少し変わるかと思ったんですけど結局全然変わらなくて……。今も週1で呼び出されます。