俳優・草刈正雄さんの長女として彗星のごとく現れ、お茶の間を賑わせた紅蘭さん。現在はビジネスで成功を収め、育児との両立をする日々だという。自分らしくあり続けながら、母親業やビジネスに全力投球する方法について書いた『#母であり私である〜子育ての最強幸福論』(KADOKAWA)を上梓した紅蘭さんに、草刈家の子育てと、「子離れできない」父との関係について聞いた。(前後編の前編/後編を読む)

紅蘭さん

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芸能活動を休止、社長として活躍中

――3年前の出産を機に芸能界をお休みし、今はスキンケアブランドとアクセサリー販売業の社長として大成功しているそうですね。

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紅蘭さん(以降、紅蘭) 娘が寝たら、それこそ夜なべ的に毎日何百個も商品の箱詰めをしています。おかげで「BROSKY(※)はAmazonより早い」と言われています(笑)。

※……紅蘭さんが手掛けるブランドの名前。

 アクセサリーの買い付け先がロサンゼルスなので、商談が始まるのは夜中の2時。明け方まで仕事をして娘が起きるのが6時。保育園には預けていませんが、自分の会社なので子連れ出社もできますし、子どもを見ててくれるスタッフもいるので、もう限界、という時はスタッフに預けて昼寝させてもらってなんとか乗り切っています。

――子育てと仕事を両立できる環境を、紅蘭さん自身で作ってきたんですね。紅蘭さんが影響を受けた草刈家流育児、みたいなものはありますか。

紅蘭 「肘の顔マネをしろ」って言われる、とかですかね?

 

――腕の一部分の「肘」を、顔で表現する?

紅蘭 そういうめちゃくちゃなお題を父が急に振ってくるんです。一発芸じゃないですけど、瞬発力で表現して返すみたいな。

――俳優の草刈さんならではの情操教育といった感じでしょうか。

紅蘭 父に「そんなのできない」は通用しません。たとえば廊下ですれ違った時に突然、「あらっ、大久保さん」と話しかけられたら即、“大久保さん”になりきらなきゃいけない。瞬時に「やだ原田さんっ。おたくのワンちゃん今日どうしたの?」とかって返すんです(笑)。

「音楽の素晴らしさを孫に教える」と言い出して……

――お孫さんに対してはどうですか。やはり独特なやりとりが?

紅蘭 父はマーヴィン・ゲイとかジョニー・ギルとか、特に昔のブラックミュージックが大好きなんですけど、小さい頃から家では常に音楽がかかっていて。

 その流れだと思うんですが、生まれたばかりの娘を連れて里帰りした時、パパが「音楽の素晴らしさを孫に教える」と言い出して、いきなりカラオケをつけて大きな音で歌い出したんですよ。

――赤ちゃんに歌って聞かせたのはマーヴィン・ゲイ?

紅蘭 いえ、その時はオリジナル・ラブの『接吻』でした。

――そこは全然違う選曲で。

紅蘭 ただ父が好きな曲です。というか、相手は新生児ですよ。選曲もですけど、まず大きな音にびっくりしますよね。正直「この人、狂ってる」と思いましたね(笑)。

 2歳になった今は娘用に小さなマイクを買ってくれて、一緒にくっついて歌ってます。子どもはおじいちゃん子に育っています。