元モーニング娘。の後藤真希を姉に持ち、自身もダンスボーカルユニットEE JUMPのメンバーとしてヒット曲「おっととっと夏だぜ!」を放った後藤祐樹(35)。
EE JUMP時代で不祥事を重ねて、デビュー2年目で引退。2007年には銅線窃盗事件で逮捕という、思わぬ形で再び世間の注目を浴びることに。
5年6ヶ月の刑期を終えてから9年。YouTubeチャンネルをスタートさせた彼に、過酷であった獄中生活、現在の妻との出会い、姉への想いなどについて聞いた。(#1〜#3の#3/#1から読む)
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ーー判決は、窃盗とガードマンを暴行した強盗致傷も含めての実刑5年6ヶ月ですよね。
後藤 併合罪というのがあって、複数の罪を犯していた場合は重いほうの罪が刑に加わって起訴されるんです。
ーーしかし、祐樹さんはガードマンを暴行していないと主張されています。その場合、控訴できるのに、控訴されていませんね。
後藤 ガードマンの方には、僕は一切触れていないんですよ。ロープで縛って殴ったのは、同級生の2人で。ただ、彼らは僕が逮捕されてから3ヶ月後くらいに出頭して、揃って僕も殴ったと供述しているんです。
ーー口裏を合わされた。
後藤 はい。ただ、僕がその場にいたのは間違いないですし、僕が仲間に引き入れたことに関しては間違いないですから。それを考えたら控訴するべきじゃないし、罰を受けるべきだなと思ったんです。
ーー—どれくらいの懲役になると踏んでいましたか?
後藤 長くても4年くらい。でも、途中で求刑が8年と出た時点で覚悟はしました。求刑3年以上になると、執行猶予にならないですし。
ーーなんだか妙に刑法に詳しいですけど、どこかのタイミングで勉強を。
後藤 留置場に入って勉強しました。留置場で詐欺で捕まった人と一緒になったんですけど、その人が被害者の方に手紙を書いていて、「僕もこういうことをやらなきゃいけないな」と強く感じたんです。
手紙を出す際に、裁判所にも「こういうことをしています」ということを証明したものを提出することが多いので、まず、その書き方とかを学ぼうと思ったのが始まりですね。
当時は漢字を書く頭すらなかったですけど、その詐欺で捕まった人に教えてもらいながら、立件されなかった事件の被害者宛のものも含め、手紙や書類を書きました。
刑務所で直面した「理不尽なルール」の数々
ーー収監先は川越少年刑務所になりましたが、所内では“後藤真希の弟”や“元EE JUMPのユウキ”であることが、なにかしら影響をおよぼすことは。
後藤 まず、刑務所って有名人の場合は独居房に入れるんです。ちょっかいを出す受刑者とかいるので。僕も収監されてしばらく独居だったんですけど、1人でいるのがダメな人間なので「独居だと精神的にキツいので、雑居に移してください」と刑務官にお願いして許可してもらいました。雑居に移動したら、チヤホヤされたし、意地悪もされましたね。
刑務所は年齢じゃなくて入った順で偉くなるので、当然移った時は僕が一番下。一番上の人、部屋長から好かれればいろいろと優遇されることもありますけど、嫌われたら大変ですね。
ーー布団を敷くとか敷かされるとか。
後藤 そうです。好かれると、本来ならば一番下の僕がやらなきゃいけないようなことを、僕の一つ上の人が代わりにやっていたりとか。それもどうかなと思うんですけど。