「二色蕎麦」のユニークな構造
配膳された「二色蕎麦」の麵はユニークそのもの。平打ちの麺線が二色になっている。聞くと白い部分は更科粉で打った更科そば、濃い目の色の部分は同割(五割)で打ったそばだという。それを麺帯にして合体し二層にして、独自の製法で製麺した今までにない新感覚のそばである。
辛汁はかつお出汁に昆布出汁を追い出汁してつくった奥深い味で、相当うまい。そして、薬味のわさびはわさび菜の漬物を細かく切ったものが併せてある。これもまたユニーク。そばはややゴワっとした硬めの食感で、食べ応えも十分。二色で彩がよい。また、セルフサービスの鶏白湯スープをつけて食べてもなかなかうまい。
「逆きつね蕎麦」のつゆも絶品
温かい「逆きつね蕎麦」も食べてみた。こちらは「山菜きつねそば」である。初めはきつねの巾着の中にそばを入れていたのだが、あまりの調理の難しさに逆にそばを普通に出して、山菜をきつねの中に入れることにしたので「逆きつね」と命名したそうだ。この麺も二色蕎麦が使用されている。温かいつゆはかつお節、宗田節、昆布でとった出汁が香る奥深い味である。
気の利いたメニューがうれしい
また、別の日にいただいた「ごま蕎麦」はいわゆる胡麻切りそばで、つけ汁が胡麻だれと普通の辛汁で食べることができる。こちらは繊細な細切りそばで胡麻が香る。「おつまみの胡麻サバ」もシメサバを胡麻みそであえたもので酒のつまみには最高である。とにかく気の利いた粋なメニューがあるので、リピーターが増えるのだろう。
経営者と横浜国大生の夢
服部仲宏さんは経営者として、コロナ禍を乗り切って「蕎麦ずずず」がうまくいけば、店舗を今後は増やしていきたいという。
一方、学生店長の雨森久弥さんは、他の大学サークルとのコラボを期待している。横浜国立大学生が立ち上げたクラフトラッシー専門店「LACCI(ラッチ)」(横浜市神奈川区片倉)や横浜国立大学公認アカペラサークル「Stairways」とイベントを開催したり、今年はオンライン開催となったが、いつか横国祭にも出店したいと夢は膨らむ。
横浜という舞台でそれぞれの夢が広がっていく予感がする。若い人たちの夢はとても輝いてみえた。なかなか有意義な訪問であった。また行こうと思う。
写真/坂崎 仁紀
INFORMATION
蕎麦ずずず
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区岡沢町150 パーク三ツ沢 1F
営業時間:11:00~15:00 17:00~22:00、年中無休