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「議席の有無に関係なく社会貢献はできる」
「子どもの健全な発育には、特定の大人との愛着関係が必要です。そのため、実親のもとで育つのが適切でない場合は、施設養育よりも、特別養子縁組か里親を優先する。どうしても施設で養育するのであれば、地域に分散した小規模施設まで。この『家庭養育優先原則』を法律に書きこんだのです」
この改正には官僚が陰に陽に抵抗したという。さらなる改正を目指す現在も、せめぎ合いは続いている。
「私には孫が5人いますが、親にベターっと甘える姿を見ると、やはり子どもには愛着関係をはぐくめる環境が必要なのです。里親制度では、長期間だけではなく、1泊だけ預かることもできます。自分たちができる範囲でやっていけばいいと思います。妻も『もちろん、いいわよ』と賛成してくれました。私の里親宣言で、すこしでも里親制度を知る人が増えればありがたいことです」
「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればただの人」という言葉は間違っている、と塩崎氏は語る。「政治家になるのは社会貢献のためであって、議席の有無に関係なくできるはずです」。
この総選挙で落選した前議員の中で、この言葉を実践できる人は、はたして何人いるのだろうか。
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塩崎恭久氏による記事全文は11月10日発売の「文藝春秋」12月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
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塩崎恭久70歳、里親になる
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