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「議席はなくても社会貢献はできる」塩崎恭久元厚労相が里親宣言

 内閣官房長官や厚生労働大臣を歴任した塩崎恭久氏が政界引退を機に、里親の登録をしていることがわかった。

 塩崎恭久氏といえば、日本銀行出身で、ハーバードの大学院で行政学の修士号を取得。政界入りした後は「政策新人類」として名をはせた理論派だ。金融制度や企業ガバナンス、政治制度改革や行政改革に取り組んだことでも知られている。

 塩崎氏は11月10日発売の「文藝春秋」でその経緯をこう語っている。

「私は隠居するわけではありません。立法府の人間として作ってきた法律や制度を、これからは一市民として使ってみたい。そこで里親の登録をしようと思ったのです。登録の申請書をもらうために、地元・松山市にある愛媛県の中央児童相談所(福祉総合支援センター)へ足を運んだところ、職員たちはビックリしていました(笑)」

塩崎恭久氏

「里親」とは、子どもを育てられない親の代わりに、一時的に預かって養育する人のことで、法的に親子となる養子縁組とは違う。

 いま日本には、実の親が養育できないか、養育することが適切ではない子どもが、約4万人いて、その約8割が児童養護施設などで暮らしている。しかし、子どもの健全な発育のためには欠かせない、家庭的な環境で過ごせる施設の数は多くない。

「私が児童福祉の問題にかかわるようになったのは約20年以上前。児童養護施設の関係者に話を聞いて、約半数の子どもは虐待が原因で入所していることを知り、衝撃を受けました」

 その後、全国の施設をまわり、専門家の話を聞いて勉強した塩崎氏は、2016年、厚生労働大臣として、子どもの立場にたって、児童福祉法を抜本的に改正した。