衆議院選の注目区だった香川1区。現地で何が起きているのか知るために、ラッパーのダースレイダーと潜入してきました。
今回、私が香川まで行った理由には「四国新聞の記者さんにお会いできるのではないか?」というひそかな楽しみもあったのです。直接話を聞いてみたかった。どうしたらああいう素敵な記事を次々に書けるのか、と。
四国新聞は香川1区の平井卓也氏(自民党)の弟が社長で母親が社主を務める。そんな四国新聞は紙面で平井推しを隠さないのである。ピュアなのかメディアとしての自覚がないのか。最高だったのは毎日新聞(WEB版)が『平井デジタル相が出席の会議、音声データ保存せず 私文書扱いに』というスクープを出したら四国新聞は「報じなかった」。すごい。
四国新聞は小川氏本人を取材せず
平井氏のライバルである小川淳也氏(立憲民主党)に対しては隙あらば刺してやろうと狙っている感じ。最近では選挙前の10月12日の記事が度肝を抜いた。2面に大きく『維新新人に出馬断念迫る 香川1区、立民・小川氏』(10月12日)と報じた。
香川1区は平井氏と小川氏による一騎打ちとみられていたが、新人の町川順子氏が維新の公認候補に決まった。そのあと小川氏が出馬断念を迫ったという。
《町川氏によると、公認発表後、小川氏本人から電話があり「出られたら困る」などと言われたという。小川氏は町川氏の実家の家族のところまで訪れ、出馬断念を求めた。》(四国新聞)
これ、もっと真相が知りたい。ところが不思議なのは四国新聞は記事の主役である小川氏のコメントをまったく載せていないのだ。小川氏本人に取材しないままデカデカと載せていた。すごい。
他紙はどう報じたか
では他社はどうか。この件を報じた毎日新聞(WEB版)は最初のほうで、
《小川氏は取材に対し「野党が一本化を目指すのは当然で、できなければ立候補の自由がある」と説明した。》(10月13日)
最初のほうで小川氏のコメントを載せていた。小川氏の行動は疑問を呼び注目だったから取材するのは当然だろう。各々の見解を載せるのは読者に考える材料を与えることでもある。