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今は性的な問題にはなっていないようだけれど…

 誰彼構わず密着をしたがる状況が続いたため、板谷さんは「もっと強い言葉で叱った方がいいのかどうか」、哲也さんの主治医に相談したことがあった。

 板谷「先生に相談したところ、『哲也さんは甘えん坊だもんね』と、息子のキャラクターと捉えている様子でした。

 親としては、もうこんな年だし、もっと神経質に対応した方がいいのかな……と思っていたのですが、先生はそう捉えていない。『こういう子だもんね』という感じです。『お母さんが嫌だなと感じない限りは、応じてあげてください』と言われました。異性の親子なので、女性として嫌だなと思ったらその感覚を優先して、ということだと思います。

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 実際に私がその場を見ているわけでもないので、デイのスタッフや学校の先生方の受け止め方だけを見ていると、まだそういう(性的な)問題にはなっていないのかな……と思います。ただ、いつそうした方向に変わっていくのかは分からない。

 実は特定の相手に興味があったとか、女性の胸など、腕よりももっと柔らかい部分があることに気づいたらどうしよう、という心配はあります。

 うちの子は特に胸に固執することはなく、二の腕やほっぺたをつまんだりさすったりすることが多いです。性的な欲求があるわけではなく、異性の親子だから云々、という感じでもないのですが、もう身体も自分より大きくなっているので、あまりベタベタされるのはちょっと嫌だな……という部分は出てきている。

 いつも誰かと一緒にいたいから甘えているだけなのかなとも思いますが、いつまでもこの認識でいいのかな……と思う時もあります」

プライベートゾーンに触るのは、トイレか、お風呂か、自分の部屋で

 他人との距離の取り方について、学校や放デイで学ぶ機会はあるのだろうか。

 板谷「その場になって学ぶ感じだと思います。『ちょっと離れようか』『触っちゃだめだよ』という感じで。どうしても場当たり的になってしまうのかも。大人の目と手がたくさんあるからこそできる対応だとは思います。

 他の保護者から、『他人にベタベタ触ることに関して、デイでは許しているけれども学校では許していない。そこを統一してほしい』という意見を聞いたことがあります。

 親としては、中学生になったからそろそろベタベタをやめたい、女の子に触るのはNGにしたい、と思っているのに、デイでの遊びや作業で手をつながせてしまうとか。学校でもデイでも、何かしらの基準があった方がいいとは思います」

 板谷さんの家庭では、小学生の頃から「プライベートゾーンに触るのは、トイレか、お風呂か、自分の部屋で」と教えていた。