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 そして先ほど、「私はこれまでに何度も何度もぐるぐると回転していますが、決して目が回りません。なぜでしょう?」という問題について「なぞなぞのレベルになっている」と書いた。なぞなぞというのも誰もが目にしたことはあるだろう言葉遊びである。でもこれも回文と同じで、作者の存在がほとんど意識されない。「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?」というなぞなぞを誰が考えたかなんて、調べてもわからない。たいていの人にとってなぞなぞは当たり前に最初からあるもので、誰がどういうふうに考え出したかなんて気にも留めない。

 でもなぞなぞだって最初に作った人がいるから現在まで伝わっているのだし、作り方のコツだってちゃんとある。別に「なぞなぞの作り方」みたいな手引きがあるわけではない。なぞなぞが好きすぎて解きまくっているうちにいつの間にか「なぞなぞの文法」を理解してしまった人が、世の中にたくさんいるのだ。私もそのうちの一人。

 私をなぞなぞという言葉遊びにハマらせてくれたのは、このみひかるという児童漫画家だ。「ぴょこたん」というウサギのキャラクターを主人公に、漫画形式でなぞなぞを出題しまくる児童書をあかね書房からたくさん出していた。言語の発達期である小学校低学年くらいに夢中になって読んだ。言葉をおもちゃにする感覚の原型を作ってくれたものの一つだと思う。今の子どもたちにも読まれているのかなあ。さすがに今の子どもにとっては絵柄が古くさく感じられてしまうのかな。

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 そしてなぞなぞの作り方というのがまさに「答えだけクイズ」の発展形である。答えを先に決め打ちしてから問題を考えるのがなぞなぞ作りのコツなのだ。勝手さえわかれば誰だってなぞなぞが作れるようになるし、作れるようになれれば解くのも容易になるだろう。


★次回、なぞなぞの「傾向」をさらに分析していくと……?