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入院から3週間で奇異な行動を示すように

 入院から3週間ほどすると、久保木被告は徐々に奇異な行動を示すようになりました。

 最初の奇行は、9月17日。院内への持ち込みを許可していた雑誌を、隔離していた室内の便器の中に詰め込み、室内や部屋の前の通路を水浸しにしたのです。理由を聞くと、「排泄後に手洗いをしていない状態で雑誌に触れたことを意識し、雑誌を破ってしまった。それをスタッフの目から隠すために便器に流した」ということでした。

 実は、検察による精神鑑定時にも、奇異な行動が見られたようです。夜間に久保木被告が、他の入院患者の耳と鼻の穴に綿棒を使って洗剤を詰めたと報告されています。その際、「少し前に折り紙の鶴がなくなったが、それが自分のせいだと言われたので、仕返しをしようとした」と、語ったそうです。このような事例も聞いていたので、被告の行動を注視していました。

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写真はイメージ ©iStock.com

「死ね、ブタ、デブ」と聞こえてくる

 10月に入ると、明らかな幻聴や被害妄想が出現し始めた。本人からは様々な訴えがありました。

「死ね、ブタ、デブなどの悪口が聞こえてくるので辛い」

「真夜中、外のドアをノックしたりガチャガチャさせて『安眠妨害のためにやってるぞ』とか言っている声が聞こえたんです」

「Aさんという女性の看護師とBさんという男性看護師に狙われています。人を殺した私がこんなこと言う資格ないですが、すごくここにいるのが怖いです。特殊部隊って何分くらいで到着しますか? さっき出てけって言った看護師は刀を持っていますか?」