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 5面に「2021衆院選香川 回顧」という特集がきた。「各陣営で繰り広げられた攻防を振り返る」としているのだが、やはりと言うべきか大々的にディスられていたのは小川淳也議員だった。

小川淳也を大々的に非難

 あらためて維新候補・町川順子氏への小川氏の「出馬断念要請」を振り返っている。

《町川氏の話では、小川氏からの電話は1時間近くに及び、「とにかく1区から出るのはやめてくれ」「3区から出たら」などと言われたという。小川氏は維新の国会控え室で馬場幹事長にも出馬の取り下げを直談判。その様子を維新の議員に撮影され、ネットに掲載された。》

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 ここまではたしかに「回顧」だ。しかし急にドライブがかかってくる。

町川順子氏(左) ©プチ鹿島

《女性候補に出馬辞退を求めるのは、可能性を最初から閉ざすやり方》

《立民は「ジェンダー平等や女性の政治参画に取り組んでいる党」をアピールしているだけに、良くないという指摘は一時ネット上であふれ、今回の行動にショックを受けた陣営幹部もいた。》

 驚いたのは次。

《実際、町川氏があと約2500票取っていれば比例復活当選し、県内で初めての女性衆院議員が誕生していた。》

 え、町川氏が「あと約2500票」取れなかったのは小川氏のせい⁉

『なぜ君』へのディス

 町川氏には自民党県議も出馬断念を要請していたのだがそれは前半でさらっと触れているだけで、いつの間にか落選は1人の候補のせいという文脈にしている。ちょっと言葉を失った。選挙運動中に妨害があったかのような読後感にもしている。迂闊なのか悪意なのか。おそらく後者だろう。

 続けて大島新監督の『なぜ君は総理大臣になれないのか』へのディスりが始まる。小川議員に17年間密着したドキュメンタリー映画だ。注目は「余波」と小見出しがついた段落である。

四国新聞を訪問する筆者 ©プチ鹿島

《小川氏の事務所には、大島監督だけでなく、小川氏に関する著書を書いたライターらも出入り。ライターの1人は、ボランティアとして陣営の作業を手伝いながら体験記を書いていた。映画のDVDに解説文を寄せていたタレントも終盤香川に入っていた。》

 だからどうしたというのだ。前半の「ライターの1人」とは『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』(左右社)の著者である和田靜香さんのことだ。 本書には小川氏が取材協力しているので、和田さんが今回の選挙に密着するのは何もおかしくない。なぜわざわざ意味ありげに書くのだろうか。

 そして後半に「映画のDVDに解説文を寄せていたタレントも終盤香川に入っていた」というのは私(プチ鹿島)のことだ!