新型コロナウイルス感染症の影響で日韓の往来は途絶えているが、1988年のソウル五輪以来、韓国観光業は訪韓日本人旅行者に支えられてきた。
2002年の日韓サッカーワールドカップと日本の韓流ブームを機に訪韓日本人旅行者が急増し、明洞をはじめ、多くの飲食店や化粧品店、土産物店が日本語話者を常駐させて、日本語の看板を掲げたが、その中に点在する微笑ましい間違いや理解できない日本語が日本人を楽しませている。
今回は、今月で韓国生活丸12年を迎えた筆者が、そうした「韓国の町で見つけたちょっとヘンな日本語」を紹介したい。
韓国最高の「コソビニ」を発見
よく目にするのは文字の間違いだ。「韓国最高のコソビニ」(写真2)は、コンビニの間違いだとすぐに気付くが、「ナウオソ いえ」(写真3)は理解に苦しむ。筆者は韓国語を見てやっと韓国の飲食チェーン「十ウォン家」だと理解した。「十→ナ」「ウォン→ウオソ」「家→いえ」となってしまっているのだ。
冒頭の「日本語通ちます」(写真1)も文字間違いだが、本当に通じるのか疑問である。
謎の「瞬殺チキン」を販売する店
文字間違いの次に多いのは韓国語の発音をカタカナで表記したものだ。
ピョンメクチュは瓶ビール、センメクチュは生ビールの韓国語(写真4)で、ポソッチュクは「きのこ粥」、ナクチギムチ・ジュクは「蛸キムチ粥」を指している(写真5)。これでは韓国語がわからない日本人にとっては意味不明なカタカナの羅列にしか見えず、せっかくの日本語表記も無駄になってしまっている。
また、翻訳サイトに頼ったと見られるものもある。「イキがいい」ジュース(写真6)と「瞬殺チキン」(写真7)、「蒸し部屋」(写真8)は翻訳サイトを利用したのだろう。
「イキがいい」は「Fresh」、「蒸し部屋」は「Sauna」と、英語を見るとようやく理解できる。また、「瞬殺チキン」は「骨なしチキン」のことだ。韓国では骨なしチキンを「スンサル」といい、瞬殺も同じく「スンサル」という。