日本と韓国で成功し、アメリカに進出すると、ファンダムも大きくなっていった。JINのピンクのインイヤーは事務所に許可された最後の誕生日プレゼントだった。
「プレゼントが禁じられてからは、JINの誕生日に合わせて参加者を募って韓国の地下鉄内にお祝い広告を出すサポートをしていました。JINが誕生日に動物保護団体に寄付したこともあり、飼っていたペットを想って作った曲『이밤』の発表日に合わせて、動物に対して同じ想いを抱く皆さんと一緒に日韓の動物保護団体や施設に寄付をしました。参加者の皆さんのお金をお預かりするので、収支はもちろん、途中経過もこまめに報告するようにしていましたね。
最近は個人でいろんな企画を立ち上げる方がいらっしゃいますが、詐欺まがいのものもあると聞くので、参加するときには疑問点をきちんと質問して誠実な回答が返ってくるかどうか見極めていただきたいなと思います」
嬉しい反面、寂しい気持ちも
BTSを応援してきた8年間、サポートアカウントを運営していた5年半でさまざまな経験をしたというジンサポさん。
「国同士の関係の複雑さを実感したり、愚痴をこぼしたくなることもありましたが、楽しいことのほうが多かったですね。気がつけば8年経っていた感じです。
みんなに知ってもらいたくて応援してきたのに、バンタンがこんなに有名になってしまうと嬉しい反面、寂しい気持ちもあります。昔は目を合わせて話すことができていた子供たちが、成長して遠くに行ってしまったようで……。コロナ禍のせいでステージに立つ彼らが見られなかったことも大きいかもしれません。
推しのJINはデビュー当時から今まで変わらないところが好きなのだと思います。いつまでARMYでいられるかわかりませんが、これほど深く追いかけたのはバンタンが初めてなので、私にとってはずっと特別なグループです」
移り変わりの激しいエンターテインメントの世界で、ひとつのグループを長く推すのは簡単なことではない。BTSを地道に応援してきた古参ARMYには敬意をおぼえる。そして古くから彼らを知る人々の証言を聞くと、BTSの本質は数々の輝かしい記録ではなく、ARMYの前でパフォーマンスできるステージにあるのだと思う。
日本でも早くコンサートでBTSとARMYが再会できる日が訪れるよう祈らずにはいられない。