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佐々木 ああ。楽天に行ったんでしたっけ?

鈴木 はい。「ウチでは試合に出る機会がないから」と言われて移籍した鉄平選手は、野村監督の下で首位打者を取りました。

どんな人でも起業できるし、リーダーになれる

佐々木 どんな会社でも、よそに移ったら活躍できる方がいっぱいいるはずです。それと『起業のすすめ』にも書きましたが、いまは副業の規定が緩くなってきました。コロナ禍で大企業を中心にテレワークが増えたので、副業を始めている人がとても多いです。会社の外の世界を見れば、自分の実力がわりとイケるとか、ここは足りないとかよくわかります。

©️文藝春秋

鈴木 起業家はジョブズみたいな人ばっかりじゃない。どんな人でも起業できるし、リーダーになれると書かれていました。きっかけも、いろいろあるんですね。

佐々木 人間が一番変わるのは、身近な人が起業したのを見たときです。一緒に飲んでいる友達が起業するような例が2、3出てくると、遠い話じゃないんだとわかって、つられます。私の場合も、新規事業をどんどん作って東証一部企業の幹部として活躍していた42歳の同級生が起業して、生き生きして見えたんですよ。「こんなに起業が楽しいとは思わなかった」と言うので、だったら自分もやってみようかなと。

鈴木 何も知らずに真っ暗闇だったら踏み出せませんけど、先にぼんやり灯りが見えていたら、ちょっと行ってみようかなと思えます。

佐々木 そうなんです。加えていまは投資家が劇的に増えているので、筋のいい企画であれば誰かが資金を出してくれます。会社の中で上司や他の部署と調整しながら苦労して予算を取るよりも、ずっと自由です。しかも昔と違って、スタートアップ企業はそう簡単には潰れないんです。上場できずにグダグダするケースはありますけど、借金地獄になって一家離散みたいな悲惨な末路は、いまはありません。失敗したときのリスクが下がっているのは、大きいですね。

鈴木 落合さんはよく新聞記者に、「お前らは名刺1枚で、誰にでも会えるじゃないか。こんないい仕事ねえよ」と言っていました。そこが佐々木さん流に言うと、アヘンであるわけですね。

©️文藝春秋

佐々木 便利なので、なかなか手放せないですけどね。若いときは名刺を利用しまくって力を付けるべきですが、ある年齢になったらアヘンを断ち切らなければいけません。裸の自分でどれくらい勝負できるかを試せば、“見せかけの幸せ”から抜け出すことができます。

鈴木 「起業の醍醐味は、自分の人生の独裁者になれること」とお書きになっていた通りですね。

(構成/石井謙一郎)

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起業のすすめ さよなら、サラリーマン

佐々木 紀彦

文藝春秋

2021年10月26日 発売

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