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「奥さんが別れてくれないのは、僕らの世代の共通の悩み」

 別居している妻への援助は家賃と生活費合わせて、月38万円。給料で手取り38万円だと考えると、年収換算では550万円程度になる。専業主婦である妻がいま離婚し、社会にでれば、おそらく最低賃金のパートしか仕事がないだろう。常勤で働いても年収は200万円前後。離婚するわけにはいかないのだ。

 いまの50代が新卒だった頃まで、企業は男性社員の結婚相手の候補として短大卒の女性社員を採用していた。女性が結婚を機に仕事を辞める寿退社もあたりまえだったが、平成の30年間で社会は大きく変わってしまった。30年間専業主婦だった女性が社会にでても、自分ひとりの生活を支えることなどできない。

 起業してビジネスの最先端で生きる本橋さんは、ガラパゴスとなった妻に嫌悪感を抱いている。常識や感覚が違うので会話もできない。妻にはその自覚もない。夫婦関係は破綻した。破綻しても生きていくために、法律で守られているいまの立場を終わらせるわけにいかない。妻が離婚の要望に頷かないのは合理的な選択である。

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 妻が嫌になり、離婚ができないことを知ってから結婚制度に疑問を覚え、同年代の女性がつくづく嫌になったという。

「とにかく、別れてくれない。奥さんが別れてくれないのは、僕らの世代の共通の悩み。確かに、相手の立場に立ったら別れるわけがない。年収550万円の生活がなにもしないで手に入る。同年代の男性たちは、みんな同じことをいっていますよ。不満だらけですね。僕も妻に離婚したいと何回も、何回も、何回も、話しましたけど、絶対にダメですね。離婚できなかったです」

 慰謝料の相場は300万円くらいか。本橋さんは慰謝料を妻に支払って関係を終わらせたい。しかし、その金額では妻は半年~10か月程度でお金が尽きてしまう。