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《露骨な価格交渉も》「本番、本番」と母親の言葉をオウム返しする息子の横で…“中年パパ活女子”たちを悩ませる“厳しい現実”

『パパ活女子』より #2

2021/12/09
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パパ活女子の上限は39歳

「いまやってるのは、チャットレディとパパ活。アプリでパパを探しまくってる。本当はエッチで3万円欲しいけど、55歳だから1万5000円以上は誰も払ってくれない。本当にひとりもいない。あまりにも安いけど、毎月生活保護もらっているし、まあいいかって。だからパパ活とチャットレディ、生活保護のトリプルインカムですね。パパ活は売春だと思っているので役所に収入報告はしてないですよ」(生活保護、55歳)

 55歳女性は元銀座の高級ホステスだった。現役時代の最高月収は450万円で、ずっと家賃26万円の部屋でひとり暮らしをしていた。生活が苦しくなったのは、43歳で銀座で生きていけなくなったホステス引退後。しばらく男性客たちの愛人をして凌いだが、それも続かなかった。結局、最低賃金のアルバイトを転々として4年前から生活保護を受給している。

 現役時代はアフターをするだけで数万円のチップをもらっていた。しかし、パパ活女子となったいまセックスをしても1万5000円以上は誰も払ってくれない。最初は扱いや低評価に愕然としたが、いまは受け入れている。

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 40代以上のパパ活女子の状況を聞くと、あまりにも男性たちの質が悪い。日本の家賃や生活費、最低賃金などを鑑みると、もはや売春的なパパ活は割に合わず、「楽に稼ぎたい」という女性のニーズは成り立っていないように感じる。

 女性のニーズが「楽に稼ぎたい」ことにあるとすると、大人の関係の最低価格は18歳~35歳の女性で3万円、それ以上で2万円は欲しいところだ。パパ活女子は供給過剰状態で、おもに40代以上でその価格を下まわる価格交渉がされている。最低価格以下でパパ活をしようとする男性は悪質といっていいだろう。

 40代を超えたパパ活女子は、月に数百万円を稼ぐプロフェッショナルと、低階層の悪質な男性に値切られる一般女性に二極化している。40歳を超えてパパ活女子をするのは特別な能力が必要である。特別な能力とは美容への投資とか卓越したコミュニケーションスキルとか、そういうことだ。

 パパ活市場は中年女性に鞭を打つ悪質な男性ばかりとなると、特別な能力のない一般的なパパ活女子の上限年齢は39歳といっていいかもしれない。