今年5月にリリースした『Butter』は米ビルボード100で10週連続1位となり、つい先日の11月21日(※アメリカ現地時間)には、米三大音楽賞のひとつ「アメリカン・ミュージック・アワーズ(AMA)」でアジア人アーティストとして初めて最高賞(「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」)を受賞。さらには来年1月31日に行われる米音楽界最高の賞「グラミー賞」でも2年連続ノミネートされたBTS。
11月27日からは米ロサンゼルスで2年ぶりに有観客コンサートを開いて世界的に大きな話題となったが、韓国でも連日、関連する話題で持ちきりだ。
その一方で、韓国では彼らの兵役問題が頭をもたげていた。これだけ活躍しているのだから、兵役は免除すべし、代替服務にすべしという声がずっと燻っており、11月25日、再び論議されたのだ。
とてつもない経済的価値を創出しているBTS
この日、韓国国会の国防委員会では「兵役法一部改正法律案」が議題となった。注目されたのは、同法に含まれる、大衆文化で功績のあった者を「芸術要員」として代替服務させるという改正を認めるか否かだ。同法は、BTSを念頭においていることから、「BTS兵役法」とも呼ばれる。
韓国の音楽コンテンツ協会は、ことあるごとに「これが最後のチャンス」と、この11月の国防委員会でBTSを兵役特例の対象にすべきだという主張を続けてきている。野党「国民の力」の議員もこう熱弁していた。
「BTSのような国威宣揚の伝道者の役割をし、とてつもない経済的価値を創出している方々が兵役特例から外れているなんて。公正さの面において厳しいという声もあるが、第3の委員会を設けて、そこで客観的な基準により評価すればいい」
実際、BTSによる経済効果は膨大だ。今の人気が維持されればデビュー(2013年)から2023年までの10年間で56兆ウォン(約5兆4000億円)にのぼると試算され(2018年、韓国現代経済研究院)、昨年米ビルボード100で1位となった『Dynamite』の経済効果は「1兆7000億ウォン(約1660億円)」(2020年、韓国文化観光研究院)と計算されていた。