「毒」より「癒やし」、昨今のテレビの趨勢に乗った
飯尾はこの時期のことを「『スベってから考えろ』という内村(光良)さんの教えが役立った」と語っているが、スベる中で、手持ちのギャグを少しずつ増やしていった。40歳になる頃までバイトをすることもあったが、12年に、予選を経て大喜利番組「IPPONグランプリ」本戦に進出した頃から、その独特のギャグが注目され始める。
「ゴロゴロ寝転がり『あ~あ、親父がトム・クルーズだったらなあ』と絶妙の間で呟く。まさに浅井企画ならではの“ほのぼの芸人”。サンドウィッチマンをはじめとする仲のいいコンビなど、『毒』より『癒やし』が求められる昨今のテレビの趨勢に乗った」(同前)
12年には43歳でエステティシャンの女性と結婚。バラエティにひっそりと顔を出す機会が増え「サイレントブレイク」と称される中、その風貌にドラマ界も注目した。
「18年の『アンナチュラル』ではパワハラを受ける臨床検査技師。昨年の『私の家政夫ナギサさん』、今年の『着飾る恋には理由があって』では共に企業の課長役。中間管理職の悲哀を背負わせるとハマる。『人に甘える』を信条にしているという通り、現場で人懐っこく演出方針を尋ねる姿が憎めない。CMでは昨年、田中みな実の夫役にまで“出世”した。今やCMは7本を数える」(ドラマ制作関係者)
ずんずん出世中。