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Chapter 3 自分のプレイを録音すべし

 パッと思いついた発想をどうやって残すかというと、譜面か録音になると思うんだよね。でも、一瞬のひらめきを記録するのに時間がかかってしまうと、せっかくのアイディアを忘れてしまいかねない。今はスマホのボイスメモのおかげで、思いついたフレーズをすぐに録ることができるから、すごく重宝しているよ。

 しかも自分の演奏を聴き返してみることで、改善すべきポイントを自分で理解することができるんじゃないかな。上手に弾けているかどうかだけでなく、リズムに対するアプローチ、サウンドメイク……過去の自分から学べることって、いろいろあると思うよ。

 今やパソコンだけで自分の音楽を完結できるようになったのも大きいよね。俺がギターを始めた頃と圧倒的に環境が違うと感じるのは、以前は作品を制作するとしたらスタジオを借りてレコーディングしなければならなかった。でも今はDAWソフトを使えば、ひとりで作れてしまう。しかもネットを介して世界へ向けて発信することもできてしまう。最近、バンドマンではなくソロイストが増えているのも、そういう理由も関係しているのかもね。

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 ただ俺の考えでは、「人前でライブをするか/しないか」で圧倒的に弾き手の「表現力」に差が出てくると感じるんだよ。ライブハウスでもストリートでもネットでもいいんだけど、自分のことを観てくれる人がいるのは、表現者にとってすごく大切なこと。自分の音楽を直接届けられるステージがあって、それを楽しんでくれる人がいるという喜びは何物にも代え難いことだよね。

Photo : Shigeki Yamamoto

Chapter 4 ギターそのものを楽しむべし

 ギターを楽しむ上で大切なのは、その人の「弾きたい!」という欲求はもちろん、「自分に似合うギターを手にする」ということだね。価格は安くてもいいから、自分がカッコいいと感じるモデルを探すべきだよ。まずは「手に取りたい!」って思わないと、音が鳴らないじゃん(笑)。音が鳴らないと音楽は始まらないからね。

 自分がギターを持って武道館のステージに立っている姿を想像してみたり、女の子からキャーキャー言われる姿を想像してみたり……そんな風にギターを弾く理由が音楽的じゃないほうがモチベーションが上がる人もいるんじゃないかな。俺は……今でもそうかもしれない(笑)。そういうところも含めて、ギターや人に「あこがれる」ってことは大事なことかもしれないね。ギターを手に取るだけで自分の世界がどんどん広がっていくから、いつだってギターを弾くのはオススメだよ。

Text : Masaya Bito

 2021年12月11日(土)には、デビュー45周年記念ライブ「Char 45th anniversary concert special」が東京・日本武道館で開催される。