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2021/12/04

source : 文藝春秋

genre : エンタメ, 音楽

「ブルー・スター」は、ベンチャーズの中でもメロディが美しい1曲。「キャラバン」よりも、ギターを歌わせられるから好きなんだ。スティーヴィー・ワンダーの「ユー・アンド・アイ」は、ピアノの弾き語りをギターで完璧に耳コピすることに挑戦した1曲だね。何かしら課題を自分に課して演奏しないと、すぐにいつもの自分の手癖に戻って終わってしまうんだよ。そうなるとギターを弾くのが「つまらなくなる」。ギターの演奏って言葉と同じようなところがあってさ、新しいボキャブラリーを取り込むと自分の語彙力が増して、いろんな言い回しで音楽を表現できるようになっていく。しかも世界中のさまざまなミュージシャンと音楽を通じて会話することができるようになるんだよね。

『ブルー・スター』ベンチャーズ

 そのほかにもオクターブを変えてみたり、低い音を開放で鳴らしながら高い音と組みわせてフレーズを作ってみたり、スムーズにコード・チェンジができる方法を探してみたり……ギターという楽器ならではの特性を活かしながら、いろんなやり方で新たな可能性を模索している。そういう考え方は「編集」に近いかもね。「どこかエディットできるところはないかな?」ってイメージすることは多いかな。

Chapter 2 ギターは手に取れる場所に置いておくべし

 手に取ったらすぐに音が出せるのもギターという楽器の素晴らしいところだよね。立ってようが、座ってようが、横になっていようが、自分の感情をすぐに音として響かせることができるから。しかも気軽に持ち運べて、誰でも音が出せるというのが、ほかの楽器にはないギターならではの魅力だと思う。手に取ってから何をやるかは各自の自由だしね。コードを覚えて作曲するもよし、小脇に抱えて弾き語りで歌うもよし、アンプとエフェクターを使って爆音でかき鳴らすもよし、気の合う仲間たちとバンドをやってもよし。本人の進みたい方向へ自由にアプローチしていけばいいと思うよ。音楽や楽器演奏というのはそうであるべきだと感じているからね。

 俺は普段、家ではアコギを手に取ることが多いかな。アコギで表現できないものはエレキを持ったって表現できないと思うからね。

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