Q 沖縄県産の酒類税軽減措置、どうして50年も続いていたの?
半世紀にわたって続いてきた沖縄県産酒類への税の軽減措置について、与党税制調査会が廃止に向けた議論をスタートさせるとニュースで知りました。
今回のニュースではじめてそうした軽減措置がとられていたことを知ったのですが、なぜこの措置が、それも50年も続いていたのでしょうか。(30代・女性・自営業)
A じつはNHKの受信料も…
これは、1972年に沖縄が日本に復帰して以来のことなのです。
本土に復帰すると、本土の大手の酒造企業が沖縄に進出してくるかも知れない。そうなると、中小しかない沖縄の酒造企業は打撃を受ける。当時の沖縄には製造業が少なく、泡盛やオリオンビールなどは多くの雇用を生み出していました。それらの企業が倒産しないように、経過措置がとられたのです。
日本政府としては、米軍基地の存在で沖縄に負担をかけているという思いもあり、軽減措置をやめられないまま続いてきたのです。
しかし、復帰50年という節目に合わせてやめようという動きになったのです。
軽減措置という点では、牛肉の輸入関税も沖縄は本土より低く抑えられていたことがあり、「沖縄ではステーキが安く食べられる」ことが魅力のひとつでした。この軽減措置は今はなくなっています。
またNHKの受信料も沖縄は本土より低く抑えられています。これは、本土復帰まで沖縄にNHKがなく(OHKという公共放送はあったが)、受信料制度がなかったからです。復帰に伴い、「なんで受信料を払わなければならないんだ」という不満を解消するため、金額を低くしてきているのです。
沖縄は、長年アメリカの支配下にあり、多くの人が辛い思いをしてきました。その分、少しでも軽減措置を、という思いから続いてきたのですが、復帰から50年も経ったのだから、そろそろ自立してほしい、というのが政府の言い分なのです。
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