気候を変えつつある地球温暖化
地球温暖化と聞いても、ふだんの生活のなかではあまりピンとこないかもしれません。しかし、地球温暖化は、確実に地球の気候を変えつつあるのです。
現在の地球は、過去1400年で最も暖かくなっています。地球温暖化は地球全体で気温や海水温が上がり、氷河や氷床が縮小する現象で、平均的な気温だけでなく極端な高温や豪雨・干ばつの増加など、さまざまな気候の変化を伴っています。平均気温は100年あたり世界では約0.75℃、日本では約1.2℃の割合で上昇しており、とくに日本では1990年以降は高温の年が多くなっています。
地球温暖化の原因は、人間活動による二酸化炭素などの温室効果ガスの増加と考えられています。思い込みで地球温暖化を疑う大人もいるようですが、観測事実から地球温暖化は確実に進んでいます。二酸化炭素の排出量削減などが取り組まれていますが、これらは私たちひとりひとりに無関係ではなく地球を守るために重要なのです。
「猛烈な雨」や「猛暑日」はやっぱり増えている
地球温暖化が私たちの生活に及ぼす大きな影響のひとつは、極端な大雨や猛暑が増えているということです。
実際に日本では、最近約40年では全国で1時間に80mm以上の猛烈な雨が増える傾向にあります。また、過去約100年で1日の最高気温が35℃以上の猛暑日や、夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜も増えており、逆に1日の最低気温が0℃未満の冬日は少なくなっています。積雪量も過去30年で減る傾向にあります。ただし、大雨や大雪は年ごとの変動が大きいため、長期的な変化傾向はもっとデータを増やして調べる必要があります。
地球温暖化の影響をコンピューターシミュレーションで調べた研究では、温暖化により豪雨の雨量が増えている可能性があるという結果が出ています。また、「ある年の猛暑は温暖化がなければほぼ発生しなかった」という結果も出ています。私たちは、これまで以上に極端な現象に対して、日ごろから備えておく必要があるといえます。