文春オンライン

《奥多摩町には「人工降雨施設」が存在》天気は思い通りにコントロールできる? “空”にまつわる“謎”を雲研究者が解説する

『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』より #1

2021/12/10
note

東京に接近する台風の数はこの20年で1.5倍に!

 地球温暖化に伴う気候変動では、台風への影響も気になるところです。最近の研究で、東京に接近する台風の数が増えていることがわかってきました。

©iStock.com

 台風の発生数や日本への接近数・上陸数に長期的な変化の傾向は見られないのですが、過去40年のデータを使って調べた研究では、東京など太平洋側の地域に接近する台風の数が増えており、東京では前半20年と後半20年で約1.5倍になったとされています。また、強い台風の接近頻度が増えており、台風の移動速度が遅くなっていることも明らかになりました。これらは気圧配置の変化や海面水温の上昇などが要因と考えられています。

 一方、地球温暖化で台風がどうなるか調べた研究では、日本付近を通る台風の移動速度が今世紀末にはさらに約10%遅くなり、台風の影響が長時間続く可能性が増えることに加え、日本の南海上で猛烈な台風の割合が増えるという結果が出ています。台風への備えも強化する必要がありますね。

ADVERTISEMENT

【続きを読む】あの“雨のにおい”には名前があるって知っていますか? 『天気の子』の気象監修を務めた雲研究者が語る奥深すぎる“空のふしぎ”

《奥多摩町には「人工降雨施設」が存在》天気は思い通りにコントロールできる? “空”にまつわる“謎”を雲研究者が解説する

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー