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天気にまつわる言い伝えのウソホント

「空を見て天気を予想できるようになりたい」という声を聞くことがあります。空や雲を見て天気の変化を予想することを観天望気といいますが、少し知識があれば誰でもできるものなのです。

 観天望気には古くからの言い伝えが多く、動物の行動を見るなどちょっと科学的根拠のあやしいものもありますが、雲や空を観察する言い伝えについては科学的な裏づけがあって信用できるものが多いです。代表的なのが「太陽や月に光の輪がかかると雨」というもので、この光の輪は、うす雲(巻層雲)が出ているときのハロです。

 この観天望気が生まれたのは、西から低気圧が近づいているときは高い空から湿って、巻層雲が現れやすいため。低気圧が来ていないときでもハロが出ることはあるのですが、ハロが出てからだんだん雲が厚くなっていくと、巻層雲から高層雲、乱層雲と変化して雨が降ることが多くなります。

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 雲の変化に気をつけると、もっとうまく天気の予想ができるはずです。

雲を見れば天気の急変を予想できる

「天気予報があれば観天望気はいらないんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。しかし、現代の技術でも積乱雲は正確な予測が難しいため、観天望気で天気の急変を察知するのが有効なのです。

雄大積雲の頭にできた頭巾雲
このあと頭巾を突き破り、雲は発達していったのであった――。

 天気の急変を知ることのできる雲のひとつが、頭巾雲です。これは成長中の雄大積雲の頭に現れ、このあと積乱雲に発達しそうな状況であることを読み取れる雲です。青空にかなとこ雲が見えたり、濃いすじ雲(巻雲)が広がってきたりしたら、その先で積乱雲が限界まで発達している可能性が高いです。空に広がってきた雲の底にコブみたいな雲が現れたら要注意。これは乳房雲という雲で、積乱雲が進む方向に現れることがあります。青空が急に暗くなったり、冷たい風が突然吹いてきたりしたときも天気の急変に注意です。

かなとこ雲の底にできた乳房雲

 これらの雲を見かけたら、まずはレーダーの雨量情報で積乱雲の位置や動きを確認しましょう。そして積乱雲が来る前に安全な屋内に移動してください。

【前編を読む】《奥多摩町には「人工降雨施設」が存在》天気は思い通りにコントロールできる? “空”にまつわる“謎”を雲研究者が解説する